黒髪のメディアムボブ。同級生と比べて身長が高く、大人びて見える。

　一言で言うと猫。鯨じゃなくて猫。
目つきが悪く、口調もどこかツンとしているので、他人からは怖がられやすい。
とは言え、それは見た目だけの話であり、実際は冷たい人間という訳ではない。
ただ素直じゃないだけで、年齢相応の喜びや悲しみ、寂しさといった感情は抱えている。
両親と離別したことが原因で、大人を信用できない。

　生まれた赤子は、健康体にも関わらず、他の赤子と比べて体温が著しく低かった。
成長した後も、その体質は治るどころか強くなり、よく触れたモノを凍らせていた。
モノを凍らせるだけじゃない。気配を完全に消して、どこからともなく現れることもあった。
そんな少女の姿を見て、両親や周囲の人間は、彼女を幽霊のようだと不気味がった。
両親は我が子に対して、能力を使用すれば𠮟りつけ、普通の子であるように強要した。

　普通であれと言い続けられた少女は、ある日我慢の限界に達した。
"どうして周りの子と同じようにできないの？"――そんな言葉が、きっかけだった。
気付けば、目の前には滅茶苦茶になった家と、怯える両親の姿があった。
両親は能力を使用した我が子を見て、化け物だと震え声で呟いた。

　その後、UGNに保護される形で、両親とは離別。星廻町へと引っ越し、UGN星廻支部へ。
現在は能力を隠しながら、普通の中学生として暮らしている。周囲にはあまり馴染めていない。

・両親と離別したときにそれまで使っていたスマホは海に捨てたが、UGN星廻支部で支部長から新しいスマホを支給された。
初めはいらないと首を横に振っていた波留だったが、スマホのパズルゲームを教えられ、いざやってみたらそれにハマる。(※本人曰く別にハマってない)
それ以来、暇なときはスマホでパズルゲームをしている。海に行くときは流石に持ち歩かない。
・学校でも基本ぼっち。多分《無音の空間》を常時発動してる。
・一人でも全然平気そうな顔をしているが、学校でグループワークがある日は仮病を使って休もうとする。修学旅行？熱が出る予定です(未来予知)。
・口はまぁまぁ悪いが、後になって言い過ぎたかな……と落ち込むタイプ。不器用。
・興味を示したモノにはすぐには飛びつかない。チラチラと遠くから見てきた後に段々と近づいて来る。猫かな？
・「ふーん……」って言ってるときは大体照れているとき。

・七尾野々市：関係性は、良くも悪くもなくといったところ。七尾が優しい人間だとは理解しているが、一般人にオーヴァードの何が分かるの？と心に壁がある。ただ、七尾の作るお好み焼きはちょっとだけ気に入っているので、作ると匂いにつられて波留がどこからともなく現れる。
・鮫楽 咬：他の人によく怒られているので、波留も若干なめて居る。チャラ男呼び。
・磯原 葵：研究の付き添いをしたり、学校のグループワークを手伝って貰ったり、頼れる人が少ない波留にとっては有難い存在。
・学校のクラスメイト：最初は馴染もうとしてみたが、その度に両親の化け物発言が脳裏を過り、結局何も進展しないままぼっちになった。現在は彼らとの交流はほぼ諦めて、《無音の空間》で空気になって日々を過ごしている。