「結構ヤなモンは見てきたが、アレは格別だったなァ…父親がな…息子を喰いながら歌ってんだよ」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　――事件発覚後、現場に駆け付けたとあるエージェントの証言

　本名は浅上結人、父親の名は浅上弦一、■■大学の考古学教授、母親に浅上■■、弟に浅上■■がいる。
　"紅鈴女"は浅野教授が日本某所にで発掘した、最低■■■年以上前と思われる日本刀である。最初は普通の古物として大学に持ち帰ったが、当大学に潜入しているエージェントは刀にレネゲイド反応があることから"遺産"の可能性極めて高いと判断し、UGNに連絡し、回収を要請した。
　しかし"遺産"の特殊性は前述の通りその"契約"であり、それを知らずに"契約（感染）"した浅上教授はジャーム化してしまい、妻に食らいついて殺害、また息子の結人を斬り倒したあとその肉を貪っていた。
　直後、現場に駆け付けたエージェントによって射殺される。
　もう一人の息子は異変に気づいた結人に二階のクローゼットに隠されたため幸いにも無傷だが、精神的なショックは大きい。UGNに保護されたあと記憶処理を受け、家族は強盗殺人で亡くなったとされ、親戚の家に引き取られた。
　UGNは"遺産"の回収を試すが、浅上結人の片腕に融合したため（現場状況から、父親が射殺された直後に新たな契約者を求めて融合したと考えられる）分離できず、彼を遺産と共にUGNが保護することになった。

　■■大学の考古隊によって発掘し、事件NO.■■■■後UGNに回収された遺産。
　契約者の身体と一体化し、様々なスペック強化を付与するほか、契約者を"母体"として"紅鈴女"の精神を宿らせ、斬りつけることで｜精神《レコード》の一部を他者に送り込むことができる。そうして精神を蝕んで最終的に他者へ意識を拡張するのが"紅鈴女"の本質である。
　その性質からこの遺産はUGNに危険視されており、封印ないし破壊を試すが、まだ幼い結人がジャーム化せず契約者になったことで方針は保護観察に変更した。