容姿・経歴・その他メモ

生まれた時の体重が10g少なかったその瞬間からずっと、私は姉に敵いませんでした。頭脳も身体能力も社交性も、小学生の頃も中学生の頃も高校生の頃も、いつだって比べられ、ただの一度も勝ったことはありません。
嘲るような、憐れむような親類の眼に晒される内に、自分の中で何かが弾けて、私は"チカラ"に目覚めました。それなりの家系でしたから、レネゲイドについての知見ももちろんあり、私が邪険にされることはありませんでした。いや、むしろ"何も変わらなかった"のです。私に望まれたものは怪物じみた"チカラ"ではなかったし、その望まれたものは姉が既に持っていました。結局私は姉に敵わないままだったのです。
いたたまれなくなった私は、少しでも家から、そして姉から離れようと警察に入ることにしました。そこで、頑張って、成果を出して、認められて、R担に入ることができました。私もきっと世間から見たら羨まれる存在なんでしょう。でも、その間にも姉は順調に出世し、グループ会社を任されるほどになったそうです。…どれだけ努力しても、努力しても、努力しても、姉はその先を行き、私の心は満たされませんでした。どこまでいっても劣等感を拭えなかったのです。―レッドキューブ事件で姉が殺された日までは。
姉が殺害されたという知らせを聞いたとき、頭が爆発するかのごとく様々な感情が沸き上がってきました。怒り？悲しみ？哀れみ？抑えきれない思いの中、自然と口から言葉が紡がれます…
「…ふざけないで」
「あの人は私の生きる意味だったの…」
「勝手に私から奪うなら…それなら…あなたを…あなたを…」

「―あなたを私の生きがいにします」

恋焦がれるほど背中を追いかけていた姉は、無残にもいなくなってしまいました。だとしたら、私が追い求めるべきは姉を奪った存在ではないでしょうか。逆立ちしても敵わなかった姉を、いともたやすく殺してしまったレッドキューブ事件の犯人…倒錯しているのでしょうか、惹かれている自分がいるのです。あの人は、私の心まで奪い去ってしまった…ええ、逃がしません…逃がしませんとも。地の果てまでも…どこまでも…どこまでも…どこまでも、どこまでも、どこまでも、どこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでもどこまでも………あなたが…あきらめるまで追いかけて…逃げられなくなるまで追い詰めて…差し上げましょう…

「待っててください…私の運命の人…」
「責任…取ってくださいね…♪」

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