Date:■■/■■/■■■■
[10:30]試験開始。

[11:30]■■移植開始

[13:30]移植終了。

[13:45]呼吸、脈拍、共に安定。制御装置の搭載を開始。

[19:23]試作第37号心肺停止。蘇生開始。

[19:30]電気ショックを実施。

[19:31]■■起動。試作第37号の生命活動を確認。

[19:34]規定以上の電圧を感知。制御装置の破損を確認。

[19:35]制御プログラム起動。試作第37号の暴走を確認。

[19:41]試作第37号の制圧を開始。

[19:52]制圧部隊全滅。

[20:22]試験終了

実験者追記:実験は失敗した。彼に危害を加えた全てのものが消えるまで、この惨劇は終わらないだろう。
通信が生きているうちに彼のCPUに彼の情報を残す。
本人の出力次第でCPUが破損する可能性は、当然考えていた。想定外だが、最悪の想定の中には入っている。全てが消えれば、自動制御プログラムが働いてあの暴走は一度収まるはずだ。
彼の処分については、発見者の判断に任せよう。
我々には、先のことなど何もわからないのだから。

発見者追記:我々が彼を"保護"して3ヶ月ほどが経過した。そろそろ彼の処遇を決めなければならない。
この3ヶ月でわかったことといえば、彼がとにかく臆病なことくらいなものだ。彼はその臆病さ故に、全力で電撃を放つことすら躊躇する。そんな人間がよく、あのような惨劇を起こせたものだと感心してしまうほどだ。
そう、彼は決して残忍な性格というわけではない。確かに彼がしたことは許されないことだ。我々としても、無視することはできない。だからと言って、我々に彼を処分する権利があるだろうか。
彼はただ、生きようとしただけだった。生きるために、自分を害する全てを排除した。
我々は彼を救うことができなかったのだ。

今のところ、彼はこの支部にも上手く馴染んでいるようだ。
……私は、このまま何も気づかなかったふりをしようと思う。
大丈夫だ。きっと何も起こらない。
彼は、ただの不幸なオーヴァードだ。

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