刀に宿ったレネゲイドが覚醒し、人の形を取ったもの。
　元々はとある武家の嫡男のために打たれた守り刀。珍しい炎蒼仕上げの短刀で、長いこと守り刀として大切にされ、いろいろな家を渡り歩いている。その茎には「どこまでも続く空のように悠か先までお守りください」との意味を込めて「護　悠蒼」と銘切られている。
　人の形を取ったのは最近だが、その打たれたときに込められた「大切な人を守ってほしい」という願いを守りたいと思っている。半面、人間が、自分ではなく”他人を守ってほしい”と願うのが不思議でならない。

　「どうか、あの子を末永くお護りください。」「あの方に守護がありますように。」「災いを退け、幸せでありますように。」
　たくさんの願いが込められてきた。誰かを守る願いが込められながら、人から人へ伝えられ長い時を渡ってきた。
　覚えられないくらいの時が過ぎて、いつしかその身に込められた意味も忘れ去られて仕舞い込まれ、どれだけ時間が過ぎたのか。このまま朽ちるのか、もう望まれることはないのか。人々の”願い”を渇望した時、ソレは思考する自分に気づいた。そして自身がレネゲイドであることを理解した。

　自分の存在意義は”護る”こと。そして託されてきたのは”誰か”を護ること。ーーどうして誰もが”自分を護れ”と願わないのだろう？何を思って他人を護ることを願うのだろう。それはとても興味深い疑問だった。
　なら自分は、人の傍で、人を観察し、人を護ることにしよう。誰かにとって大切な人を。いつかこの疑問の答えがわかるかもしれない。そう考えて、ソレは誰かを護っている彼らに協力することにした。
　

　某プロジェクトで返礼品として刀鍛冶が1本1本手作りで作りあげた炎蒼仕上げのペーパーナイフ。「護　悠蒼」と銘切りされている。（銘は個別に依頼できたため持っている人はそれぞれオリジナルの銘を切ってもらっている）
全体的に綺麗な蒼と紅のグラデーションが散っており、とても美しい。