赤目に細身、灰銅の髪に帽子を被った女性。

　興味のない事はおざなりにするタイプ。迂遠な言い回しを多用する。生活力は低く、金銭感覚も少し危うい。

　芸術家とUGNイリーガルの二足の草鞋を履いている。芸術家としてはかなり名うてで、風景画が有名。だが本人は空想の生き物を描く事の方が自身の空想をダイレクトに表現しやすく好む。

　手にしたスケッチブックに描いたイラストをモルフェウスの力によって創造して戦う。イラストを描くという行為はあくまで自身の想像力を極限まで高める為の一種の儀式であり、それをせずとも一般に見られるモルフェウスを持つオーヴァードと同様に物質の創造はできる。
　専らモンスターを描いてそれを戦わせる戦法を取る。作り出したモンスター自体はただ作り出した武器や道具と同じくただの彫像であり、意思は持っていない。それらが動いて戦っている様に見えるのは、その一挙手一投足を文字通り全て亜鈴が思い描き、創造している為。

　レネゲイド拡散以前までは、空想好きで絵を描くことが好きな普通の高校生だった。ただ一つ、異常とも言えるほどの卓越した想像力を除いては。
　レネゲイド拡散以降、彼女は奇妙な夢を見ることが多くなった。人のようなそうでないような、不思議な存在と対峙する夢。妙に記憶に残るそれらの夢を、彼女は空想にふける為の格好の材料にした。そして空想の果てに、彼女はその謎の存在に対してある明確なイメージを抱く。そしてその日の夜、夢の中で彼女はその存在を明確に認知し・・・その存在も同様に彼女を認知した。
両者の交流の末、彼女はそのイメージを永久にその存在に譲り、それにまつわる一切を忘却する事を対価に、オーヴァードの力・・・期限種の力を手にした。