誕生日:6月12日
好きなもの:セルのみんな、お掃除、お洗濯、毎日の献立を考える事、特売日、お料理
嫌いなもの:セルのみんなに危害を加えるものや人、食事のお残し、黒須左京
苦手なもの:ご近所付き合い、火(頑張ってガスコンロぐらいの物なら大丈夫なように克服済み)、セロリ

元々はごくごく普通の家庭の普通の主婦だった。好きな人と結婚し、子宝にも恵まれ、平穏な日常を送るそんな当たり前の日々を送っていたが8年前に起きた航空事故に巻き込まれ当時のパイロットや乗客全員が死亡する事になった。
その事故の直後にオーヴァードとして覚醒し蘇生するも目の前に広がっていたのは同じ航空便に乗っていた乗客やパイロットそしてかつての家族、その亡骸と呼ぶには散り散りになってしまった肉塊と機体の残骸のみであった。
その事故の一報を受けたFHが興味本位で現地に到着するとオーヴァードへと覚醒していた女が一人泣き崩れているのを見つけて｜保護《らち》しFHセルに連れていってエージェントとして使えるように“教育”を施していった。
結果としてエージェントとして投入するに足る人材に成長したが、その精神性は歪なものへと変質してしまい同じセルにいたチルドレンを自身の子供として扱い、愛情を与える母親として振る舞わなければ正気を保てなくなってしまう。
それからしばらくして「｜遺産《レガシー》」と呼ばれるものに適合する可能性があると連絡を受け、適合するかのテストをするためにその遺産に触れた所、難なく契約が完了し、「遺産継承者」という立ち位置に収まるが、その後セルへと戻るとセルリーダーがFHチルドレンに危害を加える場面を目撃し気が付いたら手にしていた遺産でそのセルリーダーを殺害していた。
その後は空いたセルリーダーの枠に収まり、FHセルの名を「ピンガラセル」と改名(厳密には名付けはしていないのだが、気が付いたらそう呼ばれたいたのでそういうことにしている)
以降は必要ならFHとしての活動を行ない、それ以外はFHセルのメンバーと共に穏やかな仮初の日常を満喫している

元々は「｜血染狂骨《クレイジーブラッド》」というコードネームがあったのだが、先代のマスターエージェントの残した「｜遺産《レガシー》」を引き継ぎ、その名である「マスタービースト」の名を得ている。
彼女の求める物はただ一つ。セルに在籍しているFHメンバーと平穏に暮らす事だ。そのためならあらゆる物や人物、そしてセルのメンバーに危害を加えた同じセルエージェントの命さえも切り潰すことを厭わない。
彼女の禁忌はただ一つ。我が子と慕い愛する者たちに危害を加える事。その禁忌に触れた者は黒須左京を除いて“例外なく”彼女に殺害されている。彼女にとって愛する者たちに危害を加える者は皆、動く肉塊にしか見えないのだ。

FHに残されている資料を調べるとこの遺産はかつて鬼女紅葉と呼ばれた戸隠山の女の鬼を退治するのに用いられたとされる肉切包丁と大鉈と大太刀を足して3で割ったかのような形状をしており、刃幅は約20センチ、刀身は約145センチ前後、刀の厚みは2センチにも及ぶ。
先代の遺産継承者もかつて愛する者を失い、その人物を取り戻す目的でFHエージェントとなっていたことからこの遺産を継承する条件は「過去に愛する者を失い、これ以上愛する者を無くすことを極度に恐れている」ことが含まれているのではと考えられている。
契約をした者にこの武器を十全に扱えるようオーヴァードとしての能力が強化され、戦闘時には契約者の皮膚を金属と同等の硬度を持つ状態にすると同時に全身の皮膚が朱色へと変色して額にまるで鬼のような突起が生成されることが確認されている。
また、その代償としてなのか炎に対し恐怖心を感じるようになるらしいのだが、残されている資料によるとどうやらその程度には個人差があるらしい。

ヨハン・C・コードウェル「こいつとはちょくちょくつるんでUGNの支部をぶっ潰して回ってるが、なかなか骨のある奴でおもしれー女だぜ…手作りのケーキも上手いし(小声)…けどオレを子ども扱いするのは止めろっつーの！！」

霧谷雄吾「マスターエージェントというのもありその戦闘力は目を見張るものですが、セルとしての方向性は穏健派。それもこちらと衝突になりそうになると普通のFHは問答無用で襲い掛かって来ますが彼女は先に話合いで解決できるか確認すると報告が来ています。私としてもなるべくは彼女と敵対はしてほしくないので「ピンガラセル」への攻撃はしないように通達はしていますが…もし何かの手違いで彼女のFHセルのメンバーに危害を加えた時は覚悟しなければならないでしょうね」

黒須左京「…過去に俺の“境界線”を超えたチルドレンが奴のFHセルにいて殺したことがあったがその報復で襲撃に合い、お互い深手を負いながらそれぞれの不可侵領域に踏み入らない限り無干渉でいることを約束したことがある。あれはまるで止まることも止めることも出来ない重戦車のような狂戦士だ。手を出さなければ高い授業料を払わずに済むだろうさ。」

ステージ集サプリ「ディスカラードレルム」にて歩兵戦車(装甲車両)と戦車のデータが記載されているが歩兵戦車は装甲が15点で攻撃力が15点、戦車は装甲が30点で攻撃力が18点。
それらに対し鬼怒川紅葉が(アームドスーツ込みとはいえ)装甲が20点、攻撃力(武器のみ)が20点という状態で戦闘に臨んでいるため、重戦車は言い過ぎかもしれないが戦車という表現はあながち間違いでもないのかもしれない…

一見穏やかな慈母の様に争いを好まず、平穏な一時を好む女性の様に見え、彼女の欲望は「家族と共に日常を過ごす事」のように見える。
だがしかし、この女の狂気的で恐ろしいのは「愛情を向けられる(注げる)子供なら誰でもいい」というところだ。
我が子に対する愛でもなく、我が子に向けられる境遇に対する怒りでもなく、この｜女《おに》の｜欲望《ほんしつ》は「我が子がいないという恐怖を無くすこと」という点にある。
そのためなら気に入った子供をさらって自分のFHセルに連れていくし(既にFHセルに我が子がいるなら満足してるので話は別だが)、自分の禁忌に触れたのなら1分前まで可愛がっていたチルドレンでさえもその首を切り潰す。現に「ピンガラセル」に加入したFHチルドレンは“非覚醒者”を含む約20名と言われているが現在在籍してるのは10名とされている。
FGO風に言うと「秩序・善」ムーブをするのが自身の欲望なのでそう見えるように振る舞っている「混沌・悪」キャラであり、
一般的に説明すると自分の子供がいてその母親としてあり続けることに生きがいを見出しているサイコパスということになる。
ただ、今現在は「ピンガラセル」にFHチルドレンが在籍してるので朝、子供たちのためにコンロ相手にぷるぷる震えながら朝食とお昼ごはんのお弁当作りに励み、今夜の夕飯の献立に悩む善き母として日常を過ごしている