ごく普通の家庭に生まれた少年だったが、6歳の時にオーヴァードとして覚醒。
その際、家に居た家族を惨殺してしまった。
直後、UGNより早く現場に辿り着いたFHによって確保され、FHチルドレンとして訓練、教育を受けて育つ。
その際に本来の名前も戸籍も失った。

エグザイルとして過剰な迄の高い生命力と、異常な迄に分裂機能に特化した能力を持つ。
レネゲイドコントロールも優秀で、自虐的、自罰的な性格から味方の盾となる事を厭わなかった。
そうした功績と、下の者達への奮起を促す為にとあるマスターエージェントから「マスター」の称号を与えられた。
その際、梅望という名前を自ら名乗る。由来は『梅を望んで渇きを止む』という中国の故事から。

常にどこかに生傷が絶えず、瞳の色が左右で違う。
薄い桃色に髪の色を染めたその姿は、自身が社会から隔絶している事を風貌でアピールしている証。
お人好しだが自虐的。誰かを助けたいがどうせ助けられないだろう、という二重思考に常に陥っている。

本来、FHに与する様な性格の持ち主ではなく他者を傷付ける事も好まない。
しかし家族を惨殺した自分がUGNで穏やかな『日常』を手に入れる訳にはいかない。
なら、このFHでせめて仲間達を守り続けて────そして、何れ死ねれば良い。
梅望の望みは、それだけである。

UGNと出会った際には積極的に交戦もせず、協力もある程度はする。
しかし同じFHの仲間が傷付けられるとなれば、その身を挺して仲間を守る。
例え裏切者(ダブルクロス)と呼ばれる事になっても、梅望は自分の『欲望』の為に生きている。
それは立派なFHのマスターではないか、と。彼をマスターにしたエージェントは嗤うのだった。