容姿・経歴・その他メモ

【序】
UGN特別支部ー－－－それは、他の支部とは異なり特殊な役割が与えられた支部のことである。特別支部は通常の支部のようなジャームの対処，FHとの戦闘，情報統制といった職務は行わず、それぞれの特別支部に与えられた役割を果たすために特化している。
XXX市にあるUGN"調和機関"監視支部は特別支部に指定されていた。設立の目的はその名の通り、RBの"調和機関"(ハーモニー)を監視するためだ。

【概要】
"調和機関"(ハーモニー)はXXX市にあるUGN"調和機関"監視支部に所属する女性型RB。オリジン：レジェンドにカテゴライズされる。
彼女はレネゲイドウイルスが自らの変化を是正するために生み出されストッパーとしての使命を持っている。レネゲイド全体に影響を与えるような変化が発生した場合、"調和機関"(ハーモニー)が対処事案と定め監視を行う。もし、対処事案がレネゲイド全体に悪影響を及ぼす場合これを排除する。彼女がこれまで対処事案と認めたものは、新シンドローム，新レネゲイド生命種の誕生、異界オーヴァードの介入等。"調和機関"(ハーモニー)によって排除された新シンドロームは8種以上。新レネゲイド生命種は16種以上。異界オーヴァードについては200体以上を討伐している。
全てはレネゲイドの正しい進化のために。その反面、UGNの人類の守護者としての理念には全く共感していない。しかし、彼女が動く対処事案は往々にしてUGNの対応案件でもあるため利害の一致で協力している。
"調和機関"(ハーモニー)には実体ががない。女性の姿もヒューマンズネイバーで形成した仮の肉体に過ぎない。対処事案が発生しない間は常に非実体化している。対処事案が発生した場合は実体化するのだが、この実体化は毎回ある場所で行われる。そこがXXX市の某所であり、UGN"調和機関"監視支部はその地点を囲むように作られた。


【バックストーリー】
　いつ振りか目が覚めた。視界は殺風景な鉄の部屋しか映らないことを除けば良好だ。嗅覚も同様。聴覚もUGNエージェントたちの煩い声が聞こえているため問題ない。触覚は服を着ていないからか寒さを感じている。久し振りの肉体に少し感動を覚えた。冬眠明けした動物はこのような感覚なのだろうか。
　しはらくするとエージェントたちが私に近寄ってくるが、それに見向きもせずにおもむろに深呼吸をした。
「ー－－はぁあ。最っ高。」
　このシンプルな工程で満足を得れる生命はなんだかずるいな。そんなことを考えていると私を囲むエージェントたちをすり抜けて支部長の米川仁美が声をかけてきた。
「久し振りね"調和機関"(ハーモニー)。目覚めはどうかしら？」
「最高。でもアンタが話しかけてきたことで最悪になった。」
「軽口を叩けるくらい最高の目覚めだったみたいね。」
　私が不満そうな顔でにらむと、米川の頬が微かに緩んだ。
「アンタってホント性格悪いね。」
「自覚してる。」
「あっそう。」
「それよりリヴァイアサンから貴女に招集がかかっているわよ。S市に向かいなさい。内容は確か…」
「言わなくてもわかってる。」
　私が実体化する時は対処事案がある時だけだ。対処事案とはレネゲイド全体に影響を与えるような変化が発生した事態のこと。今回は新レネゲイド生命体Crawlが対処事案となった。私はこれを監視し問題があれば是正しなければならない。
「わかってるならすぐに向かって頂戴。」
「はーい」
　気の抜けた返事をして、部屋から出ようとすると米川に肩を掴まれる。思わず振り向いた。
「待ちなさい。」
「なに！？今行けっていったよね！」
「服を着なさい」
そういえば何も身に着けていなかった。人間は不思議だ。何故あのような無駄なもの身に着けるのだろうか。あれの何が良いのだろう。
「着ないとダメ？」
「当たり前でしょ。」
「…絶対に？」
「絶対に」
「えぇ～やだ。」
私は服を着るのが苦手だ。まず着るという動作が面倒くさい。それに肌に衣服がまとわるあの感覚が本当に気持ち悪い。無脊椎動物に全身を包まれているのと何ら変わりない。
「よねかわしぶちょ～そこをなんとかぁ」
上目遣いと猫なで声で米川に語り掛ける。人間の雌個体が使うぶりっ子という技術らしい。支部のエージェントに教えてもらった。
「貴女それ本当に似合ってないからやめたほうがいいわよ。」
「自覚してる。」
「あっそう。」
また私が不満そうな顔でにらむと、米川の頬が微かに緩んだ。
「仕方ないわね。服着せるくらいは手伝ってあげるわ。」
「ほんと！？米川ありがとう！」
「さんくらいつけなさい。」
良かった。これで世界で2番目に鬱陶しい服を着るという作業が楽になる。ちなみに1番目は米川と話すことだ。でも、米川は悪い人間ではない。むしろ人間の中では好意的に思っている方だ。

ー－－－さて、Crawlか。アンタがレネゲイドにとって有益な者か有害な者か視させてもらう。
そんなことを服を着せてもらいながら思った。

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