パーソナリティ

｜お払い箱《モスボール》の除籍軍人

「うまい酒と煙草、それからいい女！ エージェントとして死ぬに十分な理由だ」

　UGNのR市支部に所属するエージェント。過去に在日米軍海兵隊のレネゲイド能力実験部隊、通称“テンペスト”の隊員であった経歴を持つ彼は、しかし“テンペスト”を除隊。その後少しの空白期間を経て、R市支部長の指揮下に入った。

　自身の経歴とは裏腹に、カルロ自身は酒と煙草と淑女をこよなく愛する、陽気な性格と豪快な笑い声の持ち主。剛健にして武骨な立ち振る舞いから荒くれ者と見なされがち――事実として品行方正とは言い難いものがある――ではあるが、その内には確固たる信念と忠誠心を併せ持つオーヴァードである。彼を優れたエージェント足らしめる献身性、集中力、分析性の核には、家族と組織に対する深い愛情と敬意がある。

“テンペスト”隊員時に施された機械化手術と軍務の経験、そして本人の恐れ知らずな性格から、最前線での射撃を得意とする。
　不利を物ともせずに笑い飛ばしながら小型ミサイルを投射する姿は、彼が主たる組織を裏切ってなお、しかし捨てられなかった理想のアメリカ軍人を髣髴とさせるものであろうか。


　好きな食べ物はスパゲッティ・ウィズ・ミートボール（とびきりミートボールが大きく、一握りのハーブが添えられたもの）。
　苦手な食べ物はなよなよとした（本人曰く「イギリス人のような」）チーズ、パスタ、パン、etc……

経歴

　イタリア系移民にルーツを持つカルロは、大勢の兄弟の長男としてアメリカで育った。祖父母に何度も聞かされた勇敢な軍人への理想と、家族の経済的負担を少しでも軽くしたいという現実的な思いから、若くして軍人を志すようになった彼は士官学校に入学。その後、海兵隊として軍務をこなしている。米国海兵隊として“ニューヘヴン島紛争”などの任務に従事した彼は後にレネゲイド能力実験部隊に転属。“エース・イン・ザ・ホール”ディアス・マクレーン麾下の特殊強化兵として、いくつかの極秘任務に携わった。

　だが、ある時彼は突如として“テンペスト”から除隊されている。理由については彼が語るのを露骨に避けているために不明だが、本人の言を借りれば生命倫理及び人道的観点に関する極めて紳士的かつ民主的な議論の末、更迭される際に隙を見て基地を脱走、R市へ逃げ延びた。
　その後紆余曲折あり、現在はR市支部所属のエージェントとして任務に追われつつ、支部長にセクハラまがいの言動をする日々を送っている。

　“テンペスト”所属から除籍、UGNへの所属に至るまでの殆どが機密情報として管理されている。本人も好んで語りたがらないため、事の詳細は彼の信頼に値するような人物……R市支部長だけが知る秘匿なのだろう。彼自身の経歴はUGNと他組織との不和を招く危険性をも孕んでいるが、現時点ではUGN、“テンペスト”ともに彼を黙認しているようだ。表向きは未だ従軍している名誉ある軍人であり、彼の家族もそれを信じ、彼の帰りを待っている。あるいは、それこそが彼がUGN及びR市支部長に忠誠を誓っている理由なのかもしれない。


　大家族の長男として弟妹たちを育ててきた経験から、本人の気質としては思いのほか面倒見が良い兄貴分であり、また子ども好き。自身の体躯を怖がられてしまうことがちょっとした悩みであり、目が合った赤ちゃんが泣きだしてしまった時などは、目に見えて落ち込んでいる。

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