容姿・経歴・その他メモ

N市公立高校に通う女学生。いつも明るく笑顔で過ごしている。ただ良くも悪くもあっけらかんとしているというか、後述する理由により心根に熱意というものを持てない。特技は他人の長所を見つける事だが、それは極めて低い自己評価の裏返しである。何事もない平穏な日常をこそ望んでいるが、こんな世界では無理なのだと半分悟りの境地に至っている。

本来の職分はUGNエージェント。その正体はFHによって行われた、「勇者（ブレイブヒーロー）」のコードネームで活動する世界有数のオーヴァード、早坂 否の複製実験によって生まれたクローン。製造からしばらくして廃棄処分が決まっていたが、UGNの介入により保護された過去を持つ。その後、オリジナルである早坂 否の推薦でUGNエージェントとなったものの、自分にできる事などたかが知れている、むしろ他の人員がやった方が上手く行くと信じて疑わないので、実績に反して自己肯定感は全くない。

FHが密かに入手した早坂 否のDNAを元に幾度となく繰り返された実験の末に生まれた個体だが、結果として早坂 否とは似ても似つかない粗悪品であるとして失敗作の烙印を押され、一方的に無価値な存在だと刷り込まれて育った。実際、オリジナルが保有していたシンドロームもノイマンしか継承しておらず、武器を扱う技術くらいしか取り柄がなく、研究員から見れば完全に失敗作でしかなかったのである。研究所から押収された資料には軒並み空を否定する言葉ばかりが羅列されており、当時の空がどれだけ精神的なトラウマを植え付けられたか、想像に難くない。

空の自己肯定感の低さはこの時の経験と、保護された後に出会ったオリジナルの存在……自分よりも圧倒的に優れた姉への劣等感が原因で、UGNに保護されてからも、UGNエージェントとなってからも、それは変わらないままだ。ただ、任務に対して非協力的かと言われればそうではなく、「出来損ないの自分が役立てる事なんてほとんどないんだから、せめて与えられた任務くらいは頑張ろう」という、前向きなのか後ろ向きなのか分からない行動指針により、エージェントとしての仕事はまっとうしてきた。実は並のエージェントよりもずっと多くの実績があるのだが、本人はまるで気づいていないどころか、「どうせ自分は大して役に立たなかっただろう」と思っている。

基本的に無気力で意欲的に取り組んでいる事もないのだが、FHの研究施設にいた頃に会ったレリア・ジュリーとは友人同士であり敵同士である為、いずれ再会して話したいと望んでいる。無論、UGNとFHでは会って即殺し合いに発展してもおかしくないのだが、あの日、自分を認めてくれた唯一の友と向かい合うという欲望こそが、今の空を動かす原動力なのかもしれない。

セッション履歴