人生の楽しさ=心の広さ=視野の広さ

普段は視野が広く、様々な物事に興味を持つ。好奇心旺盛な一面がある。
しかし、筆を持つときは、本という1つの狭い世界に収めるものを選択して描く。彼自身もその世界に完全に集中し、周囲の音や光をシャットダウンする。また、彼は集中する時にだけ眼鏡を掛ける。
そうして描かれた作品は、世界の美しい風景を切り取った絵のような小説だ。細やかに描かれた風景や人物は、主たる事物の引き立て役として存在している。また、その美しさはまちまちだ。人の愚直な努力、優しさ、魚の自由さ。それをどう取るかは読者次第だが、彼は視野を広げた時に見える美しい世界を共有したいだけなのだ。

一度夏目先生にお会いした時に「君と君の書く物語にとても似合っている」と言われ、とても大事にしている。
その片方だけに掛けられた眼鏡の奥は、小さな世界を、掛かっていないもう一方の瞳には広い世界を映している。