夕焼けに染まる校舎の中で出会ったふたりのオーヴァード。1滴の血を求めるその出会いから、運命の一夜が動き始めた。

不死の遺産によって暴走するジャーム、スカードネイル。
その登場により、南N市高校は血のような赤い霧に包まれ、亡者の群れが溢れかえっていく。

非日常と化した校舎の中、オーヴァードたちは生徒を守り、不死の力を持つジャームを倒すことができるのか。
ダブルクロス　The 3rd Edition
『Under the Scarred Moon』
ダブルクロスーーそれは裏切りを意味する言葉。

かつて南N高に通う生徒が、学校の前で通り魔に刺され死亡する事件が起こった。
被害者は2年生で、クラスでも明るく友人も多い生徒であった。
彼女は最期に「まだ友達と遊びたかった、まだ学校に通っていたかった」と思い、
それはなんの偶然かその近くに漂っていたレネゲイドビーイングを呼び覚ました。

最初は本当に幽霊のように学校を彷徨うだけであり、
生徒たちを見て人間のことを学んでいった。
彼らのことを模倣しようと、レネゲイドの力を使うこともあり、
それは学校の七不思議となり、希薄であったそれの存在を強くしていった。
学校内での行事や、生徒たちの過ごし方を一通り学習した頃、
急に自身の存在が強くなり、意識もはっきりとするようになった。
人間と同じよう暮らすことができるようになったそれは、
どうにか学校へ入学をしようとし、その過程で自身を「知華」と名付けた。

6回目の入学、その時は「六波羅知華」と名乗っていた。
今までのように新しい友人を作り、いつもの学生生活を続けるつもりであった。
すでに日常の一部となっている力の行使による七不思議の補強、
今までバレたことはなく、噂になる時も意図して見せるときだけであり、
その原因が自分だと悟られるようなことはなかった。
気まぐれで選んだ相手に影の化物を出して噂を広めようとしたところ、
不幸なことにそれがUGNエージェントである折居柚芽であった。
そこからズルズルとN市支部長の前まで引きずりだされて、
徹底的に事情聴取をされることになってしまった。

最終的に、要請に応じてUGNに協力をすることを条件として、
今まで通りの生活を送ることを許された。
「学校に通えること」が最優先である知華にとっては、
学生生活が送れるのであればそれだけで十分であった。
これから先どれだけの歳月が経とうとも、
彼女はN市南高校の生徒であり続けるだろう。

1.誰もいないのに鳴り出すピアノ
　知華がピアノ練習してる音。最近の流行歌だったりもする。
2.体育館で誰もいないのにボールの弾む音がする
　見に行ってみたら、ボールだけが動いてバスケしてた…結構接戦だった。
3.段数が変わる階段。とある順番を守ると戻れなくなるという。
　途中まで噂通りにやってみたら、ホントにその通りになってしまい、
　怖くなってそれ以上は試していない。え、こわ…。
4.校舎を彷徨う謎の影
　知華が影を出して遊んだもの。形はその時の気分次第。
5.誰にも開けることのできない開かずの教室
　知華が住処にしている教室。完全に私室となっている。
6.異界に繋がるトイレの鏡（既に取り外されている）
　知華が発生する前からある噂。調べた限りだと、実際に行方不明が出てるっぽい。
7.校庭の隅にある二ノ宮金次郎の銅像が動く
　校庭を歩いているって噂だが、図書館に入っていくのは見たことがある。
8.幽霊となっても学校に通い続ける女生徒
　知華自身のこと