■キャラクター解説

　研究員の両親のもとで生まれ育った男。実際の両親ではなく、あくまで子宝に恵まれなかった夫婦が養子が欲しいという名目で引き取られた。だが、実際は手ごろな実験体が欲しいだけであり、長らく非道な実験に付き合わされていた。
　途中でようやく子宝に恵まれ、玲(レイ)が生まれたことで激の扱いは益々酷くなったが、それ以上に妹が可愛かった。憎たらしいと思えない程に。
　そんな中、半ば強制的にニーベルングの指輪と契約を結ぶ実験が行われた。その結果、両親の多くの実験体が命を落とすためになる大事故の引き金になると知らずに。
　ニーベルングの指輪の呪いに対抗するため、デモンズシードを摂取しており、通常のオーヴァードと比較してもかなり強力な存在になっているが、それでもニーベルングの指輪に敵うことはできず、大事故を起こしてしまった。
　実力はエージェントの中でも非常に高く、耐久力においては大型ジャームに匹敵する。
　高い耐久力はかつて行われた非人道的な実験によって得られたものであり、その過程で多くの友人を失っている。
　ニーベルングの指輪の呪いのせいで非常に不幸体質であり、飛行機に乗れば五回に一回は墜落する。
　普段からＰＡアーマーを着込んでおり、街では非常に目立つ人物。本人曰くいつ不幸が襲ってくるか分からないため、備えているとのこと。実際月に一回は車に撥ねられるため、案外間違ってはいない。
　過去に行なわれた実験は不老不死の人間の創造である。月の国で作られた不老不死の秘薬やアムリタ、西王母の仙桃の再現など……。中にはヴラド三世の骨髄移植なども行われていた。
　或る時にヴラド三世の骨髄移植が行なわれた実験体が暴走し、激を除く実験体は全て死亡したが、暴走した実験体の力が尽きたため、最後に残った彼は奇跡的な生還を果たした。その結果、その場に残ったレネゲイドウイルスの影響を受け、現在のほぼ不死身の特異体質となった。
　これらの凄まじい点はＦＨ(ファルスハーツ)のような半ばジャーム化している連中とは違い、極めて低い侵食率の状態でこの状態を維持していることである。
　表向きは『Rain』という民間軍事会社に所属する軍人となっているが、紙面上だけの会社であり、実在しない。
　凡そ４０年間実験体として扱われてきたが、一般教養はきちんと受けているどころか、優秀な研究者の下で学んだため、下手な学者よりかは知識は豊富である。それどころか外面をよく見せるため、きちんと教育機関にも通っていた。
　逃げなかった理由に関しては実験体の体内のどこかに爆弾が埋め込まれていたため、脱走が不可能であったためである。五月雨夫婦の死亡と共に無力化された。
　ちなみに大事故の際にそれで件の暴走した個体を止められなかったのかと言えば、起動はしたものの、異常な再生力で瞬時に回復したので無意味であっただけである（一応再生時に侵食率が上がっているため、間接的に激を救う要因にはなっている）。

■戦闘スタイル

　第二世代型ＰＡアーマーの身軽さを活かしたハイスピードかつ他人を守ることに特化したタンクのしての性能の高さが特徴的である。
　ニーベルングの指輪によって得た莫大な資金力で手に入れた超強力な防具と実験で得た高い身体能力によって得た強靭な耐久力を誇る。

■５年前について

　当時は大室支部に在籍しておらず、実験体の身である。３年ほど前に前述の大事故により解放され、路頭に迷っていた頃、大室支部からスカウトを受け現在に至る。

■五月雨家について

　ＵＧＮ設立時（現在から約１６年前、Ignitionの１年前）から存在するＵＧＮ研究班“アールラボ”に所属していた科学者一家。レネゲイドウイルスが感染拡大する以前から人体実験を繰り返す一族でレネゲイドウイルスの存在にいち早く目を付け、更に非人道的な実験を行なった。当時のＵＧＮはレネゲイドウイルスに関して情報不足気味であり、現在から１１年前（Accelerationの１年ほど前）にＦＨ(ファルスハーツ)との共同研究、プロジェクト・アダムカドモンを行なっていたこと（上級Ｐ７８より）からもこういった技術力はあるが非人道的な実験を行なう連中との関係を持っていた可能性が高い。
　また前述のプロジェクト・アダムカドモンの前身となった実験の一つであり、実験結果は芳しくなく、ヴラド三世の骨髄移植を行なわれた実験体の暴走により五月雨激一人を残して全滅という結果に終わった。その際、五月雨夫妻も惨殺されている。

■ＵＧＮに関する感情

　コードウェル博士の死亡、イリーガルとの軋轢、何よりアールラボで行なわれた人体実験など不信感を募らせている。彼がＦＨ(ファルスハーツ)に転向する日はそう遠くないのかもしれない。

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