ギリシャで発見された遺産をベースに阿澄専用に調整された大型電磁砲。
天霆銃機(ネガテラス)は1,2mの大型電磁砲であり、非戦闘時は天霆銃機補助ユニットが擬態した大型スーツケースに格納されており、阿澄の意志によりケースが起動、変形する改造遺産である。
天霆銃機には《キュクロプス》と《オリンポス》という二種の補助ユニットが存在しており非戦闘時にはこの補助ユニット二つが合体、変形して大型スーツケースに擬態している。
補助ユニット《キュクロプス》は砲撃、狙撃を確実に当てる為のセンサーや演算機能を内蔵したユニット雷鳴(ブロンテス)、レネゲイド増幅、拡散装置などのレネゲイド系のサポートを内蔵したユニット稲妻(アルゲス)、重力軽減装置、ブースター等の機動力を支えるユニット閃光(ステロペス)で構成されている。(ユニットはそれぞれ合体、分離が可能)
補助ユニット《オリンポス》は13の弾道変更を目的とした反射リフレクターを搭載したビットで構成されており、撃った弾丸の軌道変更や軌道変更を行うために、弾丸と接触するタイミングに行われる弾丸へのレネゲイド供給で距離による威力減衰の防止をする主な運用方法だが、天霆銃機と合体することで天霆銃機の出力強化ユニットとしての運用も可能。また、一年半の本部での経験を積んだことでリフレクターを使い自身への攻撃を逸らす運用が実戦的に可能になった。
戦闘時にはキュクロプスによるレネゲイド増幅、拡散装置により戦闘狙撃範囲に探知、誘導用のレネゲイドを散布することで対象の捕捉や射程の拡大、反射リフレクターによる弾道変更により通常では有り得ない軌道で目標を撃ち抜くことができる。
天霆銃機にはリミッターが施されており、リミッターを解除することで出力や補助ユニットを含めた装備の性能を向上させ、砲撃の際は拡散されたレネゲイドと天霆銃機に接続したオリンポスとキュクロプスを利用して天霆銃機と目標との間にレネゲイドのレールを作成し、それを加速装置にすることで弾速や貫通力を高めることができ、最大出力の場合、荷電粒子砲での運用が可能であり、その速度は亜高速に達し、射線にある万物を全て打ち抜くことができる。
本来であれば演算装置の補助込みでも他者のバックアップが必要とするほどの複雑な武装機構だが他のオーヴァードより遥かに上回るノイマンによる演算、並列思考能力とブラックドックの機械操作能力により単独での運用を可能としている。天霆銃機は総重量はとても重く並みのオーヴァードでは持ち上げられないが稲妻の重力軽減装置や阿澄が行う磁力操作を利用して運んでいる為、そんなに重くないらしい。
サイバー・ルーラー事変時に無茶な運用をしたことにより一部機構が修復不可の故障を起こし、若干のスペック低下が起きたが、低下要因の3割は当時の運用では関係ない部分であり、残りは本人の技量により事実上当時とほとんど変わらないような運用を果たしている。

幼少期の頃は病弱で病院での入院生活がほとんどだった。6歳の時に両親、祖父等の身内たちと小学校入学記念として行ったヨーロッパ旅行でギリシャに偶然埋まっていた遺産のレネゲイドに適合し、契約を結んだ。契約の過程に起きたレネゲイド感染により覚醒、ちょうどこの時期に、勉強の為、ギリシャに訪れていたテレーズと出会い、仲良くなる。テレーズとの接触がキッカケになり日本帰国後、UGNに保護される。
その後、オーヴァードとしての知識を学ぶためにアカデミアに入学、飛級を重ねていき4年で卒業した。遺産はアカデミアに在籍している時は使用しておらず、阿澄の卒業に合わせて、阿澄専用に改造が施された(遺産の特性上弄れるのは阿澄だけだった為UGNが改修プランや素材を立案や提供し、遺産の管制人格がそれらを監修、阿澄が組み立てた。)。阿澄が一人前のオーヴァードとしてエフェクト、遺産の運用が可能になった後は友人のテレーズの部下として日本のM市支部でエージェント活動をしており非常時を除いては潜入任務としてお嬢様学校に通っていた。
サイバー・ルーラー事変においては成り行きではあるが支部の方針ということもあり利害の一致という形での一部のFHセルやマーセナリーとの協力体制で事件解決に向けて活動し、解決した。その過程によって得た技術や知識を応用することで限定的な条件はあるがどの組織も手が届かなかった領域である"ジャーム化の治療"の計画プランを考案、所属支部とシステム開発に協力した会社との合同の形で実証計画を立案した。この功績を持って本部エージェント入りし、本部入りから約一年半後、UGN中枢評議員へと参入、新米の中枢評議員として活動をすることになった(中枢評議員の内定は本部入りの時点で決まっていたが一般エージェントからの参入だと周りから色々言われると評議会が想定した為、緩衝材としての役割として評議会参入前に本部入り、そして評議員参入の為の根回しのための時間稼ぎとして本部エージェントとしての活動を行なった。)。なお本部所属に所属していた約一年半の間に本部の仕事と並行してまだ限定的な条件があった"ジャーム化の治療"の治療対象に拡大させるという名目で神城グループの会長派閥にコンタクトを取り合同で研究をしていたとか...この件に関しては当事者のみ知ることであろう。