容姿・経歴・その他メモ

UGN・N市支部長にしてN市公立高校の教師。社畜。学年主任とか部活の顧問もやってるよ。忙しいね。

生まれは特別不思議なものではなかった。ただ、人より少しだけ貧しかったことと母親が毎日のように何かに祈りを捧げていたことを彼はよく覚えている。傍から見ればどう考えても母親の信仰している宗教は怪しいものだったが、生まれた時から生活にそれが存在していた彼にとって母親の行動に違和感を覚えることはなかった。また、時たま母親が家に訪れてきた人に封筒を渡しているところを目撃することもあったが、それもまた当時の彼が何かに気がつくこともなかった。

彼が能力に目覚めた時にも、母親はこれが神様が授けてくれた力だと言っていた。これまでの祈りが届いたのだと嬉しそうにしていた。母親が喜んでいるところを見ることは滅多になかったので、彼はその姿だけで満足だった。だから、しばらくの間施設に行くことになっても母親が喜んでくれているのならと彼はむしろその神様とやらに感謝までしていた。

しかし結果として施設では実験が行われ、かつそれは失敗に終わった。実験によりレネゲイドを強化されて不安定な体の中で彼が家に帰ると、そこは既に空き家になっていた。後から聞いた話によると、実験が行われるに際して多額の謝礼金が支払われたらしい。結局母親が好きだったのは神様と金でしかなかった事実に彼は酷く悲しみを覚えた。

実験の時の記憶は何かしらの処理が施されたのか酷く曖昧だったが、UGNという単語だけ片隅に強く残っていた。
復讐、というほど彼は実験施設を憎んではいなかった。曖昧な記憶の中でも非人道的な扱いを受けたりというネガティブなイメージは薄い。ただ、彼はその実験の内容と参加していた人達のことを知りたかった。彼は今でも施設の中で笑顔を向けてくれていた少女の姿が脳裏にこびり付いていた。

そうして彼はUGNへと入った。仕事とUGNの活動に追われる中で彼は一つのことに気がついた。悲しみは嬉しさや幸せでも消しきることは出来ないが、何かを考える暇がないくらいに忙しければ悲しみに浸ることもなくなる。

それから彼は仕事漬けの日々を送った。幸いと言うべきか、教師という仕事は存外に忙しい。UGNの活動にも精を入れていたことでその立場も上がっていき、N市支部長になる頃には仕事とUGNを両立するだけで一日が優に潰れるほどだった。

いつの間にか彼は元々の目的を思い出す暇がないくらいに忙しなく過ごしていた。実験について知るためにUGNに入ったことも、悲しみを感じないようにガムシャラに仕事を始めたことも、今の彼は覚えていない。それどころか、仕事をするために時間流を操作してより長く仕事をする本末転倒ぶりである。正真正銘の社畜が生まれた瞬間だった

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彼は実験の際、右足を改造され義足となっている。しかしそれはオーヴァードの力ではなくあくまでも人知の力で改造されたものであるため超人的な力を得ることは出来なかった。精々人並みに動ける程度である。彼は季節に関わらず長袖長ズボンを着ているのでそれに気がつく者はほとんどいない。

めちゃ働いてるので生徒の間では学校で寝泊まりしてるのではないかという噂が流れたこともあった。実際は支部で寝ている

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