容姿・経歴・その他メモ

儚げな良家の子女。
彼女を一目見た者はそういう印象を抱くだろう。
学内でも有名な情報通であり、戦闘では護り手としてその身を捧げる。
そんな少女の心は愛する"大歓声"への想いが淀み、渦巻き、深淵と化している。
今日も彼女は愛する"大歓声"へたおやかに微笑み、ライバル共を威圧する。
奴らの情報はもちろんのこと、生命すらも彼女は握っている。
絶対的に有利なのは、こちらだ。


【以下夕月の半生】

『存在しない子供』

「夕月」の名が示すように、彼女は疎まれ、虐待されて育った。オーヴァード能力も両親が怪しい研究機関に彼女を売り払った結果に過ぎない。ウロボロスというたぐいまれなるシンドロームを持ちながら無事に親元へ戻ってしまったのは、研究機関やそこを解体したUGNがウロボロスという未知のシンドロームに対して無知だったゆえである。
親元に戻された夕月は表向きは不登校児となり、両親のために《無形の影》で日銭を稼ぐ日々を送っていた。

「このまま両親の人形として、静かに死んでいくのだろう―――」

そう思いながら死んだように生きていた夕月の前に、一筋の“光”が差した。

名前も知らない、同じ歳くらいの少年。
生まれて初めて彼女に優しく接し、彼女を褒めてくれた彼との出会いにより、夕月は変わった。

「もう一度彼に逢いたい」
「彼に褒められる自分でありたい」

そう思った夕月は己を磨き、UGNにつながる情報屋として財を築き、両親を法的に制圧。オーヴァードアカデミアに入学する頃には暗い過去を微塵も感じさせない才色兼備の少女に成長していた。

そして夕月17歳のある時、彼女は再び運命に出逢うこととなる。

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