ごくごく普通の家庭に生まれ、平和に暮らしていた。
テレビで見るヒーローの活躍を目を輝かせて、いつかは自分も…なんて夢を見ながら幼少期を過ごした。

中学生のころ、家族で出かけていた時に、ヴィランの襲撃に巻き込まれる。
両親に連れられ路地裏を通って逃げるも、追いついてきたヴィランによって目の前で両親を殺される。
崩れ落ちる両親を前に呆然とする少女にもヴィランは腕を振り下ろし、少女も殺される。
意識が薄れ、力が抜けていく感覚を覚えるもすぐにそれは熱い痛みに変わり、身体が再生を始める。
そんな姿を見たヴィランは覚醒に気づき、まるで玩具を見るような目でその腕を振り下ろした。
傷を受けて倒れてもすぐに再生が始まりだす様子を見たヴィランは再生しては殺しを繰り返した。
その惨劇はヒーローが到着するまで続けられ、ヴィランを倒したヒーローが見たのは侵蝕率が異様なレベルに達した少女。
何度も殺され、生きることに疲れ切ったような顔を見ていられなくなったヒーローは少女にとどめを刺した。

処理に来た職員が見たのは大人2人の遺体と口元を血で濡らした灰髪の少女だった。
とどめを刺したと報告を受けていた少女の遺体はどこにもなく、慌てた職員は少女にいくつかの質問を投げかけた。
その結果わかったのは、少女が両親などの記憶を全て失っていることと、とどめを刺した少女がこの銀髪の少女だということだけ。
侵蝕率もなぜか下がっていることを確認すると、少女は報告を受けたヒーローの所属するヒーロー事務所の方で保護されることになった。
事務所の方で状況説明を受けた少女は悩んだ結果ヒーローを目指すことになった。
そして、数年もたたないうちに忘れた幼少期の夢は叶うことになる。

戦闘時には右手を大きな爪に変えて敵に突き刺し、攻撃を行う。
攻撃に並行して爪から吸血を行い、その血を敵の内部で暴れまわらせてさらに大きなダメージを与える。

右手を変化させると、併せて青い目が赤く光り輝く。

覚醒前は長い黒髪に青目、無垢な少女でヒーローにあこがれていた。
覚醒後は何度も殺されたストレスか、髪が灰色に変化。戦闘時には目が赤く輝く。
また、一度死亡した原因なのか、身体の成長が止まっている。(本人曰く、ほんの少しずつ成長はしているらしいがエフェクトで誤魔化しているだけ)
性格は優しく、記憶喪失を感じさせないような明るさを持っている。
一度死亡したからか、はたまた再生できるからか自分をないがしろにする傾向がある。
→ないがしろというより、自分から退くということをしないようにしている節がある。

今のところ記憶が戻る傾向はないが、フラッシュバックがないとは言えない。
両親への罪悪感はあるものの、記憶喪失に関してあまり気にしている様子もないため、戻らない方が幸せなのかもしれない。

人は前に進み続けなきゃいけない。前を見続けなくちゃいけない。
たまに後ろを振り返るのはいいけど、その足を後ろに向けちゃいけない。
その先が明るく見えても…その道は奈落へと繋がっているから。
――――振り返ることさえできない少女の話