両親のことはよく知らない。
物心がつく頃にはいなくなっていたから。
教会が運営をしている孤児院で生活をして何不自由なく育った。
この孤児院は成人するまでは面倒を見てくれる。
幼い頃は少し年の離れた兄や姉たちがいたが既に孤児院を卒業し、今の最年長は自分だ。
孤児院には6人の弟妹がいる。自分が受けたように弟妹たちを今度は自分が守る番だ。

高校１年の夏、隕石が直撃した。
あれは孤児院から少し離れた展望台での出来事だった。
弟妹たちを寝かしつけ趣味の天体観測をしていた時だ。
元々、天体観測は神父の趣味でお古の望遠鏡を譲ってもらった事が趣味のきっかけだ。
星を見ていると奇妙に動くを星を見つけたのも束の間、こちらに降ってきていた。
目を覚ますと見知らぬ天井でUGNに保護された後だった。
腕に少し痛みを感じ確認すると石が埋まっていて、UGN職員から【賢者の石】であることを説明された。
世界が変貌した現実を受け止め、能力の使い方を習うこととなったが
その結果、弓道の大会で優勝してしまい弓道部を引退した。
オーヴァードであることが競技において公平じゃないと思ったからだ。
部長や顧問の先生には申し訳なかったが仕方ない。
部活をしていた時間が空いてしまったため、UGNの紹介でバイトを始めた。
『ユウガオ探偵事務所』雇い主もオーヴァードという事でなにかと融通が利いて便利だった。
UGNの手伝いも探偵事務所のバイトだったと説明でき、口裏を合わせてもらえるからだ。
なにかとUGNの世話になっているがUGNには所属しておらずイリーガルのような立ち位置にある。

UGNに所属していないのには理由がある。
孤児院の弟妹たちを守りたいと思ったからだ。
オーヴァードの世界を知った今、弟妹たちを危険な目に遭わせる訳にはいかないからだ。
UGN所属となると別支部の増援などで興隆市を離れる可能性がある。
興隆市の事件に限りUGNに協力をする関係に落ち着いた。
弟妹たちに危険を及ぼす輩は何人たりとも許しはしない！

ナノマシンのハイテクノロジーなUGNの武器。
ルービックキューブサイズの箱に収まっており設定次第でどんな武器にも構成可能。
不動 射月は弓で設定して携帯している。
矢はナノマシンでは生成しておらず、不動 射月の能力で矢が精製している。

処理能力の大幅な上昇
【賢者の石】の力由来なのか星座のようなものが舞い
生まれた星を矢として使用可能

転校生が１０年前からの幼馴染【｜龍ヶ崎愛華《りゅうがさきまなか》】だった。
昔と変わっていて素っ気ない対応で動揺した。
別日、ワーディングの反応を感知、話を聞くためにUGNに行く。
サンダーディアと呼称したオーヴァードのせいであることが分かり対応することに。
事件が東区星見台で起きている中、【龍ヶ崎愛華】も東区星見台での目撃情報が出ていた。
監視のため【龍ヶ崎愛華】を尾行している際に【春日恭二】と遭遇、戦闘になる。
戦闘終了後、サンダーディアが出現するも逃走、一緒にいたはずの【龍ヶ崎愛華】も姿を消していた。
後日、学校にて【春日恭二】との一件について聞かれたため、正直に話すことを決めUGNの支部に案内する。
サンダーディアの一件に【龍ヶ崎愛華】も同行する事となり、変電所で待ち構える事になる。
変電所に現れたのは【｜龍ヶ崎琳《りゅうがさきりん》】龍ヶ崎愛華の母親だった。
【龍ヶ崎琳】がサンダーディアだった。
今回の事件は娘を思っての行動だったという。
愛ゆえの行動ならばまずは彼女に向き合うべきだったんじゃないか。
変化に苦しむ彼女のために変化を捻じ曲げる事が彼女のためになるとは思えない。
あなたがするべきだったのは星を掴みに行くことじゃなく彼女の手を掴むことだったんだと俺は思う。
【龍ヶ崎琳】の背後から【春日恭二】が現れ言葉巧みにそそのかしている。
戦闘になるがこれを撃退。【春日恭二】は逃亡、サンダーディアは意識を失い戦闘不能。
みんなで病院へ行き皆無事帰還することとなった。