セミロングの黒髪。普段は自分の学校の制服を着ている。花のブローチは常に身に着けている。

ごく一般的な高校生であった。とある事件が起こるまでは活発で、人一倍よく笑う少女であった。
しかし、高校時代。彼女の幼馴染である友人が自殺をした。理由は「いじめ」。彼女は同じ学校に通っていたにも関わらず、彼がいじめられていたことに気が付いたのは、自殺後であった。
　彼女は自分がもっと早く気が付いていれば、しっかり彼に話を聞いていれば。直接的ではないが、自分が"カレ"を殺したのと同義だ。そう自分を責め続けた。

以降、彼女は常に自分を責め続ける影が自分自身にまとわりついていた。カレは存在していない、しかし彼女はいつでもカレの幻影に見つめられ、憎悪の声を聴き続けた。それが実際にカレのものではないと知りながら。

あるとき、殺人鬼の姿を見た時、『死』を強く認知した。『死』を正しく理解した。『死』を忌避した。
そんな彼女は『｜死《カレ》を知りたいという強い意志から、オーヴァードとして覚醒したのだ。

その能力は、自身を影のようなバケモノに変貌させる能力。
自分自身でカレを纏うことで、超常的な力を暴走させる。
その攻撃には一つ一つ「虚」に対しての憎悪の念を対象に伝達する。
対象に自身の影を溶け込ませることで、相手の不意を突き、致命打を与えることを得意とする。

傍らに立つもの。
「自分自身を責め続けている幼馴染の幻影。憎悪で身を焦がし、そのあふれんばかりの憎悪はカレの復讐対象である、虚自身に向けられる。」

「ワタシを恨んでよ、憎んでよ、苦しめてよ！」

不可視な亡霊（キャンシー・シャドウ）
⇒can see/can't see な亡者を纏うことが由来。
他者から見える影と他者から見えないカレを身に纏うことから名づけられた。