「まともに生きてたいだけだった。いつかは真っ当な日向に戻れると信じて……今日も泥に塗れる」
「お前の選んだ道だろ、と強い奴は言う。道を外れるのが嫌ならくたばればいい、いつだって『諦める選択肢』は手の中にあると」
「ふざけやがって、どいつもこいつも。好き放題上から目線で説教垂れやがるくせに、肝心な時に助けちゃくれねえ」

FHイリーガルの男。へらへら笑ってヒラヒラ躱す、ともすれば詐欺師のような掴みどころのない男。
馴れ馴れしく話しかけておいてあっさりと手の平を返し、無関心かと思えば妙に肩入れする。

飄々とした態度は警戒の証。観察を怠らず、必要なら試し行動を行う。そのせいで痛い目を見ることもあるが、土壇場で後ろから刺されるよりはマシ。
弱みを見せれば付け込まれると考えており、胸襟を開くのは渋る。とはいえ所詮は未成年のイリーガル、本気で探られればボロが出る。
欲望渦巻く裏社会では、一時の情で行動すればツケが回ってくると信じている。が、情を捨てきれるほど冷徹にもなり切れていない。
自認は「まともな人間」であり、FHにも犯罪にも否定的。可及的速やかにFHから足抜けしたい。

蒸発した父親がFHに作った「ツケ」を、莫大な借金として代わりに支払う羽目になった。
踏み倒して逃げたいが、事実上妹を人質にされているため逆らえない。

なお、本人はまともぶっているが……言い訳さえあれば容赦なく他人を踏みつけに出来る。反社の才能がある。