''管理プロトコル:伊佐山凪''

基本情報

体長1.6m程度の黒い髪をした少女形のレネゲイドビーイングです。3年ほど前に山陰地方の山中で発見されました。ゼノスに数体所属する死んだ人間の記憶を所持したレネゲイドビーイング、通称『転生体』の一人であり、彼女の名乗る"伊佐山凪"とは転生前の人間の個体名であったと推測されます。基本的に好奇心が強く穏やかな性格をしていますが人間社会への理解度は転生体にしては非常に低いです。これは生前"彼女"の置かれていた閉鎖的きわまる環境によるものと考えられます。

追記:当該個体と"プランナー"を間接的にでも接触させることは許可されません。過去に接触に立ち会った職員はコードRにより処理されました。

能力とその用法について

身体から柘榴の実を生成し、実から高度に圧縮された炎を爆発させることで広範囲の敵を殲滅します。彼女の柘榴による火炎攻撃はきわめて強力で自己破壊的です。その高い火力ゆえ大規模な制圧任務に適性を示しますが、体力の管理には留意してください。

folklore-伊佐山凪の原典

幼い魔女は焼かれて死んだ。
陽のさす山村に生まれた彼女は、生まれたときから村と双子の片割れのために死ぬ定めを負っていた。
彼女は逃げようとした。自分の人生を生きるため、彼女に知恵を吹き込んだ友人の助言に従って。
そして彼女は失敗した。
彼女は逃げられなかった。魔女は生まれる前に燃やされた。太陽の加護を得んとする愚かな民たちの手によって、彼女は灰となり果てた。
彼女の双子の弟は村人たちの行いをひどく恥じた。新たな村長となった彼は哀れな彼女の遺灰の上に柘榴の種を埋め、二度とこのような非道が起こらないよう戒めとした。彼女の従妹もまた村に嫌気がさして召使いとともに逃げ出した。
そして二十余年の時が流れた。
弟によって村の呪縛は解かれ、子らの世代はもはや村の因習に苦しめられることはなくなった。皆が自分の足で立ち、かつて幼い魔女が願ったように自分の人生を生きていた。
戒めに植えられた柘榴の木はいつしか大きな実を結んでいた。
…ある日、幼い魔女の旧友が柘榴の木のもとを訪れた。旧友はいまにも弾けそうなその果実に触れた。
そして柘榴の果実は爆ぜた。
赤い果実は弾け、燃え、村を包み込んで三日三晩燃え続けた。火は消えることなく、逃げることもできない村の人々を焼き殺した。罪深き者もそうでない者も等しくみな灰になった。
そうして全てが失われたとき。
炎の中から最後に、ひとりの魔女が生まれ落ちた。

「はじめまして、伊佐山凪だよ。おんせん？のことについてはあまり詳しくないから、いろいろ教えてくれると嬉しいな」
「ごめんね、この辺でちょっと変な見た目をした人を見なかった？探してる人がいるんだ」

1「君は大学生なんだね。いいなあ！大学ってどんなところなの？大学に行ったら好きなだけ本が読めるんだよね！……えっとごめん、私なにか君を怖がらせるようなことしたかな？」
2「えっ！？め、メダカが喋ってる！？そっか、都会だと魚がしゃべってるのが普通なんだね…しばらく外に出てなかったから知らなかったなあ」
3「はじめまして、ほこりさん？…でいいのかな。とてもふわふわした格好をしているんだね。最近のファッションなのかな？可愛いけれど、火の粉がかかったらすぐ燃えちゃいそうで危ないね」
4「芽衣さんの刀はすごくよく手入れされているね。ちゃんと使った形跡があるのに切れ味はまるで新品みたい。これだけ持ち主に大事にしてもらえたら、刀を打った刀匠もきっと鼻が高いよ」





「私は燃え盛る炎だ。憎たらしい奴ら、みんな燃やしてやるんだ」
「燃え上がれ！もっと高く、高く…！あのクソアマの首に届くまで！」

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