「滅亡の炎」そのものであるラハブ・アブド=アルマリクとはUGN所属以前は面識こそなかったものの、ある意味では破壊そのものとも言える彼の「直接の上司」とも言える立場であるため出会うずっと前——彼の災厄が意識を持ったその時から——最大限の敬意を持っている
　尚、彼の災厄は「天災」が形を得たモノであるため魔人の長たるシャイターンに関しては簡単に言い表すならば「別部署の偉い人」(＝なんかえらくてすごい他人)という認識である

　初めて下界へ降りた際、人の身ではなく火竜の本性のままであったため、激怒したわけでも憎悪を抱いたわけでも、まして破壊衝動に突き動かされた訳でもなくただ降り立っただけで周辺一帯の村落ごと焼き滅ぼしている。
　基本的には健気に生きる人間たちにも尊敬と慈愛の心を持っているため容易く滅亡させてしまったことにほんの少しの罪悪感とあまりの脆さに困惑して以降、人里の近くへ降りる際は人や動物を模し力を抑制した姿を取るようになった。

　現在の外殻であるヒトの身は自身に信仰を向けていた地域の人々やかつて旅をしていた頃に見ていた人間たち、アッシュら調査隊の面々を観察し、自身の美的感覚にオールインした結果の造形なため明確な人種などは無い。

　ヒトを模したガワでも通常の火程度では怪我をしない。しかしマグマや製鉄炉、オーヴァードが作り出す炎などの超高温には耐えることができず、発現可能な力も元来の1/20にも満たない。
　一度、その事実に気がつくことなく元の身体のクセで人の身のままマグマを飲もうとしてうっかり死んだことがある他、数年前に調子に乗って8000m峰に人の身でアタックしてうっかり死にかけるなど「人」の限界に酷く鈍感。
　尚、現在はバカンス気分でヒトの身エンジョイ中である。

　因みに、食事や睡眠、排泄を必要としない(ガワだけは精巧に作っているが中身はそのまま。やろうと思えばできる)。寝る時は全裸である。

　元々日本へは、富士山、桜島などといった活火山の地質調査の手伝いとして訪れていたが、本竜が日本の文化と風土(せまいとちにかざんがいっぱい)をいたく気に入ったため、霧谷雄吾ら穏健派への牽制も含めてMM支部の支部長という形で残ることを許された。
　しかし、彼の竜の気質を計算に入れ忘れていたアッシュの目論見は外れ、MM支部は穏健派の一派であった元支部長の代と変わらず日本支部と円満な関係性を維持している。
　尚、元々のMM地区支部長はアッシュによってある事ないこと理由をつけられ飛ばされている。

　災害発生時はヒトの身の限界への挑戦(無謀な8000m峰アタック)帰還直後であったため、療養期間と重なってしまい現場に居合わせることも駆けつけることも叶わなかった。しかし本竜の本性は災害(＝破壊)であり、本竜自身もかつて大規模なレネゲイド災害を起こしていたとみられている為か悔いる様子はない

　「火竜の呪いが染み込ん」でいる……などとされているが、実態は彼の竜がアッシュらUGNへ協力する証として祝福(その能力の一端と一片の鱗)を与え、槍の形に整形した武器である。現在はアッシュに「預けて」いる状態だが本竜が持ち出して使用することもある。