都市伝説『メリーさんの電話』を中核として形成されたレネゲイドビーイング。
幾つもあるパターンのメリーさんの中でも、呪い殺して来るタイプのもの…だった。
レネゲイドビーイングとしてヒトとしての体を得てしばし、ヤの付く組織の組長に絡んだ際に殺害に失敗。いきなり拾われて以降、養子にされて娘として育てられている。

以来１９年にわたり、ヒトとして組の娘として過ごしてきているため、基本的な価値観は人間とほとんど変わらない。割と礼儀正しい性格をしているが、組の人間を使うことに関しては躊躇がない。
その出自からかレネゲイド絡みに巻き込まれることはたまにあり、その関係でＵＧＮには協力する姿勢を取っている。
『メリーさん』を中核としてはいるものの、ヒトとして暮らしている中で様々変化しており
ヒトとしての体だけでなく本質まで成長しているレアケースである。

大々的に顔が知られているわけでもなく、そもそも組にしても非合法なことは…まぁ、ほとんどしてはいないので、
散策であったり気分転換であったりと、外をぶらつくことは時折ある。
そしてそれとは別に、"入ったものが二度と出てこない館"の噂があれば…
散策がてら、様子を見に行ってみるのも一興だろう。
噂が噂なら、冷やかして散歩の足しにするのもいい。
もし、事件性なり"同類"の関与があるのであれば…　まぁ、ＵＧＮに伝えるくらいはしよう。

父親が病気で入院しているため、最近は見舞いに病院を訪れることが多くなった。
近くの病室あたりに入院しているのだろう数名の患者とは、よく話をするくらいには。
そこまでは、ヒトとしてそう珍しくもないことだっただろう。
重病の末期患者が奇跡的に回復して退院した…なんて言う、常であれば起こることのないような噂さえなければ。
…私は、人間の言う奇跡というものが、起こせるモノであることを知っている。