作られた時から職人の魂が込められていたためか、レネゲイドビーイングとしての素養はあったものの、
自身が琴、人ではないことと、自身をとても楽しげに、そして美しい音色で弾く姫君に興味を見出し、
彼らと接触することはなく、ただ静かに「琴」として全うしていた。
しかし、時は戦国、その職人の価値ある財産としてハジメは姫君の手から奪われ、姫君やその職人、二人のいた城も滅ぼされた。
以降、ハジメはただ「価値ある品」としてだけ扱われはじめ、扱いの難しさからその音色を響かせられる者も存在しなくなった。
そしてハジメは密かに人間を恨み始め、ある時は触れた悪意ある者を、ある時は二つの琴を分とうとした者も攻撃したこともあり、
「呪われた血染めの双琴」と呼ばれる頃には、誰も側にはいなくなっていたのである。
自由になったハジメは、レネゲイドビーイングに完全に覚醒したと共に、
一つ所にいるのを好まなくなり、ジャーム化寸前のところまで来ていた。
しかし、ある時“和御魂”伊比津美摘と出会ってから、レネゲイドビーイングというものを知り、
落ち着きを取り戻すまで武上支部で世話になることとなったのである。

ハジメの取っているヒューマンズネイバーの姿は姫の幼い頃、自身を与えられた頃の姿である。
本当は大人の姿を取りたいがハジメの力で琴と姫の姿両方を再現するのは難しいということと、
姫の大人の姿は殺された姿でもあるため、再現するのを無意識のうちに制限してしまう。
しかし戦闘時にその音を操る時は薄らと姫の大人の姿が顕現する。