容姿・経歴・その他メモ

履歴

「…………僕は、いい」

　僕は今まで独りだった。それがいつからだったか、もはや覚えていない。
　ただ一人、あの人だけは僕を分かってくれていた。けれど……やはり、僕の手からは何もかもが零れ落ちていく。
　けっきょく僕は、持たざることを運命づけられたヒト───あるいはケモノ、なのかもしれない。


　物心がついた時には既に母親がおらず、父子家庭で育っていた───が、ある日界人が寒さに目を覚ますとそこは雨の降りしきる屋外。父親の思惑がどうであったかは知らない。ただ界人は捨てられたという事実のみを思い知った。ヒトは信用ならない、界人が弱冠5歳になる頃の出来事だった。

　当て所なく歩きまわって、やがてUGNエージェント・飼仲水(かいなか みず)に拾われることとなる。
　施設で養われていくうちヒトへの恐怖心が薄れ、ようやく他のチルドレンとも話せるようになった頃。
　ごっご遊びの最中で激情に駆られた界人は、衝動まかせにエフェクトを発揮し、チルドレン数名、そして飼仲水を負傷させるに至る。
　事件から数年が経つ今でも飼仲は昏睡状態であり、二度に渡る喪失と自らのもたらした惨劇は界人の心を閉ざすのに十分すぎる出来事だった。

　現在は施設の隔離所に置かれ、玉野椿が界人の世話担当となっている。
　能力においては優秀な部類にあたるため、将来は単独あるいは少人数による任務への活躍が望まれている。

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