負けることを非常に恐れている人間。
普段はおとなしく優しいが、いざ戦闘になると目つぶしなどの過激な攻撃も一切いとわない非常に狂暴な性格へと変貌する。

なてらがここまで変貌する理由は、異常なまでの敗北への恐怖と、歪んだ公平性の精神からくるもの。
「自分と敵対する相手には、もし仮に死んで復活したとしても、自分には絶対にかなわない。そう思わせるほど徹底的に叩きのめさないと安心できない」
から。
安心するためなら、相手が全力を出せるようになるまで待つし、相手と対等になるために自身を傷つけるようなこともいとわない。

ここまで「負けないこと」に固執する理由は、自分が愛してやまないパートナーを安心させるためと、生い立ち。

どんな敵が相手でも、自分が絶対に守る。そしてどんな状況でも勝って見せる。その姿勢を見せたいがために己を極限まで追い詰めてでも平等な条件で、相手の全てを引き出させ勝とうとする。

　なてらは、小さい頃に両親が離婚した。理由は、お互いの性格の問題。なてらは父について行くことに決めた。父は完璧主義者だ。失敗という単語を嫌い、何事も自身の満足いくまでやらなければ済まない性格だった。そして、彼はそれをなてらにも強要した。幸いなてらも同じ考えの持ち主だったことと、父のことが好きだったためさほど問題にならなかった。なてらは己の理想と、父を喜ばせるために、色んな物に手を出し、全てで1位を取った。誰よりも努力し、誰よりも勉強した。
　しかし、そんななてらも遂に失敗したのだ。第一志望を、補欠合格。これを機に、なてらは父からの愛を感じれなくなった。
　この出来事がトラウマとなり、自身は負けてはいけない。と、自分自身を追い詰めるようになってしまった。
結局、滑り止めにしていたSoAに入学することとした。一人で生活することとなり、父親から毎月送られる生活費と、バイトで生活するようになった。今はスズと二人暮らし。

　このように、父から見放されたという事実から、誰かに自分は強く、完璧なのだと思わせたいという感情が人一倍大きい。自身のパートナーであるスズにさえも、自身の弱い部分を極力見せたくないと思っている。
その反面、自身のことをここまで好きだと言ってくれる存在が、彼女にはスズしかいないため、彼女にはかなり依存している。もしスズがいなければ、既にこの世を去っていただろう。

しかしある日、時空の裂け目に飲み込まれてしまい、なてらだけダブルクロスの世界に巻き込まれてしまう。自身の元居た世界に戻るため、なによりスズに出会うため、なてらは情報を集めることにした。

「…あの、もしかして、まだ、全力…出せていないんですか？な、なら！私も同じ状況になりますね！…んっとと…ほら、見てください！腕、切り落としました！これで、ぼろぼろなあなたと同じ状況です！さぁ…まだ戦いましょう？」

　元の世界（ステラナイツ）で、なてらのパートナーだった少女。地球人ではなく、別世界からやってきた。
傷つくことも、誰かが傷つく姿を見るのも大好き。
なてらは理由をよく理解していないが、どうやら自分に一目ぼれしているそうだ。