双子の姉と両親の4人家族で､親は揃って研究者としてUGNに協力していた｡

父は､ジャームを戻せないか､レネゲイドウィルスを鎮静化出来ないかという､抑制の研究を｡
母は､レネゲイドの力を高めても飲み込まれないよう､正気を失わないよう､強化の研究を｡

そんな両親の手助けをすべく､姉は母に自らは父に付き添い､その研究を理解出来なくとも支えていた｡
────あの日､母がジャーム化してしまうまでは｡

日々の過程で感染していた母は､自らの研究の影響が悪い意味で強く出てしまい､その探求心への飢えからUGNに隠れて誘拐しての人体実験に走ってしまった｡
また､その手伝いをしていた姉は､ジャーム化こそしていなかったが同じくオーヴァードと化しており､自らを研究対象に差し出してでも母へ献身を捧げていた｡
……当然､それはいつまでも隠せるものではない｡

己が妻の暴走を知った父や､UGNのエージェント達と共に母を止めようと行動したが､全ては遅きに失した｡
UGNでは自らの研究は完成しないと､探求心は満たされないと､母はあろう事かファルスハーツを手引きしてしまったのだ｡
混戦となった母の隠し研究所､そこで実験の素体として繋がれていた齢5歳前後の幼子を救う為､父は命を落としてしまった｡
そんな父の遺志を継ぎ､幼子と共に逃げようとした､まさにその時──

『ねえ､一緒に母さんを支えてくれないの？』

何よりも知っていると思っていた半身が､信じられない言葉を投げつけた｡
今､父が幼子を助けて死んだのに｡
母がしているのは､人の尊厳を踏みにじり､それまでの信頼に泥を塗る行為なのに｡
それを叫べば､良心の呵責はあるのか顔は歪めるのに､決定的に分かり合えない｡
同じように互いを半身と思っていたのに､あれ程気持ちは通じていたと思っていたのに､理解出来ない｡

そして､選んだのは断絶───姉を否定する､姉からすれば裏切りの道だった｡

そして､その事件を機に自分もまたオーヴァードに覚醒｡
正気を失い罪を犯した母を､母に着いて行った姉を止める為､UGNからの疑いを晴らす為｡
何より､母の犠牲になってしまった､父が命を賭して救った､幼子を守る為｡
UGNエージェントとして､戦い続けている｡

母の事件を境に､精神的な負担から髪の色が抜け､目が死んでいる｡
服装としては､元々そう突飛な格好を好んでいた訳ではなかったのだが､母と姉に対する覚悟から2人の嫌悪を煽る格好をするようになった｡
とはいえ本質は変わっておらず､守るべき子供の前では昔のような面倒見の良さを見せる｡
オルクスの能力で操る猫は通常時は子守り担当だが､エージェントの仕事中はだいたい頭に乗せている｡

リアルのSAN値チェック案件で細かく練る余裕が無いままに書き連ねたら､地獄が産まれた｡
また､最近遊戯王VRAINSから遊戯王再燃した影響から､ロスト事件に似た事件の過去になってしまった｡