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兵器【殺戮剣・ネーラオン】の使い手となるべくレネゲイドの変異実験を受け続けた実験体。
親はおらず、物心着く前から兵器としての人体調整を受けていた。その副作用として、身体の発育が悪く、寿命も短くなってしまっている。
無事に未来予知の能力にレネゲイドが変異し、適格者となったところで、ＵＧＮへのクーデターが始まり、純真だった彼は彼らに利用される形で参加。世界を変えて、ヒーローになれるとささやかれ、力を振るい、世界の変革の立役者となった。
そうして彼は、一躍有名かつ、人気なＦＨのオーヴァードとして、こんなに小さくても英雄になれるのかと皆の憧れの的となった。

そんな待遇に満足し、これからのことに夢を馳せていた彼に唐突に絶望が降ってくる。
そう、実験を繰り返した副作用で残りの寿命が幾ばくしか残っていないと知ってしまった。

そんな彼にまず訪れたのは心神喪失だった。頑張ってきたのに。これからなのに。
つかみ取ったこの世界を生きられないことに耐えられなかった。

次に訪れたのは憎悪だった。同い年の皆は将来の夢を語っていた。大人になったら何がしたい？
…そんなもの俺にはないのに、俺が世界を変えたんだ。それなのになんで俺じゃなくてお前らがのうのうと生きてられるんだ！

そうして最後に訪れたのは殺意だった。声が聞こえた。「冒せし禁忌に、殺戮を」
…そうだよな。こんなもんは間違っている。お前らが俺より長く、楽しく、夢を持って生きるのはおかしい。
全員、殺してやるよ。俺を犠牲にして夢なんか語りやがって！　のうのうと生きてられると思うなよ！

そうして、彼は全世界に宣戦布告した。自分が世界で最も長く、夢を追いかける者であるために。

殺戮剣・ネーラオン

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「冒せし禁忌に、殺戮を」　

　彼の体内の大部分を占有する殺戮兵器。ジャーム化しないための装備という表向きで、実際はただの人物兵器を作り出すために開発されていた。この装備を組み込むために相当なものを捨てており、今でも一銘の体を蝕んでいる。
　この兵器は未来予知の能力を持つオーヴァードにしか適合せず、その力を搭載されたAI【ティシポネー】が最適化し、使用者の肉体を限界まで酷使し、認識できないレベルまで加速した斬撃を放つ。
　普段は一銘の意識とAI【ティシポネー】は融合しており、その殺戮衝動に常に苛まれている。

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