容姿・経歴・その他メモ

征服院家は代々女が家督を継ぐことを定めた武家であった。戦乱の世を生き抜いた名門であり、その誇りと伝統は現代においてもなお揺るがぬものとして受け継がれていた。
幼い頃から得物を手に取り、鍛え上げられた体と技術のみを己の武器とする。

その征服院家の次女として生を受けた彼女は、類まれなる闘争心と武力を持ち、過酷な試練をもってしても倒れぬ強さを誇った。征服院家の名に恥じぬ者として、次期当主候補と目される存在であった。

しかし、彼女の道行きを大きく揺らがせる事件が起こる。
家督を継ぐための過酷な修行の最中、生死の境に立たされた。体力は尽き、意識は薄れ、もはやこれまでかと薄れゆく意識の中でオーヴァードに目覚めた。
征服院家は、今までオーヴァードとは一切無縁の存在だった。しかし、「強くあれ」という家訓を掲げる征服院家の人間に、その異質な力を恐れる者はいなかった。

オーヴァードとなってからも、それまでと変わらぬ鍛錬を続けていたある日、どこから嗅ぎ付けたのかUGNに「保護」という名目で身柄を拘束される。
UGNは、当時としては希少だったウロボロスの能力に注目し、最初のうちは、戦闘要員としての適性ではなく、後方支援としての研究協力を求められた。
その要請を受け入れはしたが、不満はあった。征服院家の人間にとっては戦場こそが己の生きる場所であり、武をもって名を刻むことこそが、自身の存在意義だ信じていたためだ。

そして現在、UGNにおける人手不足が彼女を戦場へと駆り立てさせた。
「戦える人材を遊ばせておく余裕はない」という言葉と共に、支部長という役割を与えられる。研究対象から、一転して最前線へ身を投じるよう言い渡される。
無論彼女は、この決定を心から歓迎した。

オーヴァードである以前に征服院家の次女である。
その名を背負い、力を示すことこそ誉であり、人間か否かなど些事に過ぎなかった。

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