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ライフパス

出自		彼女の親はFHの一員だったらしい。親に親らしいことをされた覚えがないので、誰なのかは知らないが。彼女自身、物心ついた時から「いかにオーヴァードが凡人よりも優れているか」を何度も何度も聞かされ、5つを超える頃には人為的にオーヴァードとして覚醒させられた。そのセルの戦闘員となることを期待されて育てられていたが、11歳の時、セルを脱走してUGNに保護された。
結社の一員
経験		平気で犯罪を犯してそれを美談として語る奴、ドラッグに触れない相手を“タマ無し”とせせら笑う奴、まるで“常識からの逸脱”を勲章のように誇る奴、“普通”を見下して踏みにじる奴。……要は、“狂った自分”に酔った連中。彼女のいたセルはそんな連中の巣窟だった。普通とは違うことをまるで“優れている”かのように持ち上げ、平凡をあざけ笑って軽んじる。彼女が脱走したのは、そんな大人になりたくなかったからだ。下記にもある初恋相手と出会い、普通や平凡の尊さをそのまま受け入れて愛して生きていきたいと願ったのだ。人なんて殺せなくていい。犯罪なんてしなくていい。変に駆け引きなんてしなくていいし、過激な思想や事柄にも手を出さなくていい。ただ、好きな物を真っ直ぐ好きと言って、素直にごめんって謝れて、“正気”のまま健全に生きていたい。そんな日常を、守っていたい。
平凡への憧れ
邂逅		公園で出会った少年。臆病で、おどおどとしていて、気が弱くて、運動神経も弱くて……それでも、今まで会った誰よりも優しい少年。彼女の価値観を変えた人物。オーヴァード故の特異な容姿を公園でほかの子供に貶された際に庇ってくれた。「い、言っとくけどなぁ？！　お前らの悪口もいじわるもすっっごいダサいからな？！　お、おれダサくないから、素直に可愛いって言えるもんね！」と、少々ズレた反論をして、いじめっ子たちにゲラゲラ笑われていたのを覚えている。彼はオーヴァードではないが、彼女の境遇を聞いて脱走を全力で助けてくれた(とはいっても子供の力なため、あまり意味はなかったかもしれないが)。現在ではお付き合いをしている。
慕情
覚醒	侵蝕値	彼女の生まれたセルは、ある種の“研究機関”としての側面も持っていた。子供たちはたくさんいたが、日に日に数を減らしていた。オーヴァードに覚醒させる実験で失敗して、ジャームになったり死んだりしていたからだ。彼女はそんな中で数少ない成功例だ。しかし、無理やりウイルスを活性化させられたせいで、狼のような耳や尻尾、吸血鬼のような牙と翼と、人間離れした容姿に変貌してしまった。また、過酷な実験によって身体中に火傷のような跡と傷が残り、何もしていなくても勝手に出血する後遺症まで残ってしまった。身体中の包帯はその保険である。おまけに、生肉や血液以外の味を感じることも出来ない。
素体	16
衝動	侵蝕値	それはどうしても抑えきれない、人格を無視した衝動だ。救済を、救済を、救済を。生きとし生ける苦痛への救済を。ああ、宙を舞う鮮血はまるで背中に授けられた翼のよう！　……そんな、誰のものとも知れない思考に脳を犯され、制御が出来なくなる。きっと、それは今まで実験で狂ってしまった子供たちの意思なのだろう。……それでも残酷なのは、表に出力できないだけで、彼女の精神は残っているということだ。
殺戮	18
侵蝕率基本値	34