陽気で調子づきやすく、よく口が回る。相手が親しい間柄でなくとも突拍子もなく最近知った噂話やウンチクを語ってくる、ちょっと変な人。
しかも話の内容は半分くらいの確率で適当にその場で考えたもの……虚言癖というやつである。

一応オーヴァードでUGNにイリーガル登録されているが、何を手伝っているのかは全くの不明。戦闘力があるのかも不明。

虚言癖であること以外……感性は割と普通で、スマホゲーとか漫画とかが好きなどこにでもいる男子高校生みたいなかんじである。

＿＿＿「『なぁ知ってるか？こないだの深夜の爆発、工場の火の不始末が原因だったみたいだぜ』」

＿＿＿「『刃物持った怪人の噂さ、アレ大陸マフィアだったらしいぞ。もう逮捕されたらしいけど、身近にそういうのあるとこえぇよなぁ』」

能力は『嘘から出た真』、所謂言霊使い。自身が放った言葉を現実に寄せ、やがて定着させる……限定的な現実改変に近い能力。
これを用いての『R案件収束後の後処理におけるカバーストーリーの流布』、つまり　UGNにとって都合が良いように『嘘をつく』或いは『事実を誇張もしくは矮小化する』　ということがイリーガルとしてUGNに協力している仕事の内容である。
ゆえに、イリーガルの中でもかなりUGNに近い立ち位置の人物ということになっている。

言霊使いの能力は工作、敵の洗脳、暗示による味方の支援など様々な応用が効く。もちろんこの能力も使い方次第では有用な支援能力と成り得るが……有事の際の戦闘員として”噂好きの友人”に声がかかることは通常ほとんどない。一見便利に思えるが……

かなり不明。5年前に能力を乱用して現実改変を繰り返していたところを、異常を感知したUGNに確保された。
家族構成なども不明、名前もおそらく本名ではなく……本人曰く、「嘘をつきすぎてわけがわからなくなってしまった」とのこと。

仕方がないので能力の解析後UGNによって登用、「言霊使いという能力の扱いに理解があるであろう」支部長がいるΨ市支部に身柄を預けられ、以降はイリーガルとして活動し生活費を稼いでいる。

嘘をつく。ついた嘘を現実に定着させ、まるでそれが真実であるかのように口にした事象を引き起こす能力。

使用するうえでいくつか制約が存在する。
まず、言葉を誰かに聞かせる必要がある。その場にいるのが自分だけだと能力は発動せず、相手が人語を解せなかったり、聴力が無かったりすると無意味。
そして最も重要な点として、”言葉を聞いた相手が『そうかな、そうかも』と思うことで能力が発動する”。逆に、”口にした言葉が『嘘である』ということを確信をもって指摘された瞬間に、虚飾が剥がれ発動していた能力は効果を失う”。

つまり、絶対にバレるあからさまな嘘はつけないのである。真偽不明の、周囲が必ずしも否定できるとは限らない不確かな話を、さも当然の真実であるかのように補強することがこの能力の本来の使い方…ということになる。
世田花は常日頃から話や受け答えを適当にすることによって、『口にする言葉が何が嘘で何が本当かわからない』状態を維持し続けている。

仮に能力が暴走したり、世田花がジャーム化し能力による現実改変によって天変地異が引き起こされたとしても、それは『嘘』である。能力の詳細を知る人間が一言「それは嘘だ」と否定すれば、何も起こらない。
ゆえに、対処法を知っているUGNにとって

”噂好きの友人”は極めて危険度の低いオーヴァードである。ちなみに、この能力を知る人間はΨ市の支部長をはじめUGN内でもごく僅かだという。（絡繰が周知され対策されると使い物にならなくなるため）

上手に嘘をつくコツは、適度に真実を混ぜること。