大きなジャケットに身を包んだ女性。右目の瞳孔が月の形に変質している。

　落ち着いた性格。言葉の当たりは強いが、性根は困っている人を見逃せない優しさ、お節介さを持つ。

　N市支部のUGN支部長。UGNの実験的レネゲイド治療の末に、オーヴァードに覚醒しUGNエージェントとなった。そこから順当に経験と昇進を重ね、今に至る。

　イタリアで、裕福な資産家の元に生まれ育った。幼い頃からオペラ鑑賞、海外旅行等々に触れ、文化的にも豊かに過ごした。

　高校卒業記念に、友人達と共に日本へ卒業旅行に向かったが、その際に乗っていた客船で、暗殺の仕事を請け負っていた伊庭宗一の襲撃に巻き込まれる。乗船していたほとんどが死亡する中、駆け付けたUGN日本支部に辛うじて救出されるも瀕死の重傷を負ってり、通常の医療技術では助からないと判断された。

　しかし、たまたまアールラボにて行われていた、レネゲイド技術を利用して、オーヴァードに覚醒させずに現行の医療技術を上回る研究の実験体に適合することが判明。そのまま実験体としてUGNに受け入れられ、治療が行われた。
　結果としては想定を下回り、回復はしたもののオーヴァードに覚醒、さらには想定外の力が発現している事も分かった。

　オーヴァードとなった上にイレギュラーな特質が発現している以上、元の生活に戻すわけにもいかず、UGN日本支部によって船舶事故で死亡したと処理された後、UGNチルドレンとしてその力と付き合っていく事になった。　
　新しい環境にストレスを覚えながらも、医師やスタッフの協力、さらには伊庭への復讐心から順調に力の扱い方を会得していった。
　成長し、UGNエージェントとなってからはN市へと配属される。N市でカヴァーである何でも屋として、或いはUGNエージェントして、様々な事件と人物に触れていく中で、段々とかつての激しい復讐心も和らいでいった。復讐よりも優先したい目の前の事が多くなった彼女の変化を受けて、UGN日本支部はN市の後任の支部長に彼女を推薦。支部長として、N市を守る役割を担う事となった。

　実はオーヴァードに覚醒する以前からロリコン。チルドレン大好き。
　イタリアに居た頃からボランティアとして幼稚園や保育園の行事に参加する事も多かった。当然友人家族に話すこともなく、実際の所自身がロリコンであるとも当時思っていなかった。
　オーヴァードに覚醒してからUGNラボで過ごすにつれ、段々と自分の性癖を自認するようになり、隠しながら密かに欲求を満たすようになっていった。ある意味で、オーヴァードになったのだとしても、自身が自身であることを証明し、心を支える一つの柱であったと言える。
　支部長になってからもそれは変わらず、自室には支部長権限でしか開けられない金庫の中に密かに同人誌を貯め込んでいる。かつて日本支部に救出されたことは幸運だったかもしれない。