ヤナグイを奉る神社の神主をしていた家系。逃散してきた民衆を匿った際に大名家と対立。閔家当主が怨敵調伏を続け、それは聞き届けられた。閔家当主はその身に神を降ろし、超常の力を持って敵を退けた。以来、超常の力を宿した者を一族の当主とし、閔家は領主としての地位を確立して戦乱を生き抜いた。
　しかしこの超常の力には代償が必要だった。ヤナグイの宿主はその瞬間に個としての存在を喰われ、本来その「個」が与える影響力を使って戦い、やがて個を使い果たすとヤナグイは閔家一族の中から次の宿主を定め、存在を喰らった。
　力を振るわなければ常人よりも長寿だったようだが、この力を受けた者は世界の危機にはその身の全てを捧げなければならない。
　閔家の一族は世界から祝福と呪いを同時に受けた。
　そして現在。レネゲイドウォーにおいてヒーロー/フビンロッドとして閔一族は戦い、個を使い尽くしていき、生き残りは門文一人なった。
　世界の転ばぬ先の杖のストックはあと一つ。

　考古学者を目指していた大学生。幼少のころから足を悪くし、家に引きこもる毎日。そんな中、門文は閔公絵巻を読み耽り、英雄を夢想した。閔公と自分を重ねているときは家すら出ることができないことを忘れることができた。