熱狂的な新興宗教の信徒の両親と、3つ上の気弱な姉を家族に持つ。
そのせいで、新興宗教の教義に基づいた生活しかさせて貰えないまま成長した。
彼女はその教義や宗教を全く信じておらず、寧ろ馬鹿らしい、幸福とは自分で定義し、自分で掴むものだという持論を持っていた。
そういう性格が災いし、両親からは手のかかる子供だという扱いをされていた。
その嫌気の差すような生活に転機が訪れたのは2年前、彼女が24歳の時。
彼女は当時、雨浜町という町で一人暮らしをしていた。だが宗教の関係で無理矢理嫁がされた彼女の姉が、家に戻されたのである。精神を酷く傷つけられて。
彼女の両親はそれを恥じ、彼女の姉を責め立てた。
彼女はそれに酷く腹を立て、縁を切って姉と共に家を出た。
それからずっと、姉と2人で暮らしている。姉はまだ精神を持ち崩したままで、時折夢と現実を綯交ぜにしたようなことを言う。妹である詩織のことは、姉の中では小さい子供であり、守るべき対象なのだ。
彼女はそれに心を痛めているが、それを決して表に出さない。やっと勝ち取った自由。自分は、自分達は、幸せに生きるのだ。

実はかなりの大食らい。一人でレストランで諭吉が飛ぶのは当たり前。

宗教や神を忌避するあまり、面倒なことに巻き込まれる事が他者よりほんの少し多い。そんな気がする。

彼女の経験に基づくなら、ハヌマーンが最適なシンドロームだろう。そして彼女の願いが叶うなら、サラマンダーにも適合するであろう。
だが今の彼女に、それを扱う術はない。
それは、外的要因でもたらされるものだからだ。
2人とその相棒しか知り得ない怒涛の一週間を、無我夢中で手探りに進む彼女の隣が、空いているからだ。

イメージソングは
「君の神様になりたい。」