容姿・経歴・その他メモ

本部所属のUGNエージェント。

安定した中流階級の一般家庭で生まれ、大きな波風もなく健やかに育っていたが、中学生の頃不幸にもオーヴァードが関わる事件に巻き込まれる。

犯人はFHのエージェントであり、目的はオーヴァードの選別にあった。当時FHはプランナーがリエゾンロードとしてまだ活躍しており日本国内ではセルの連携が取れていた為、それぞれの専門分野の中で各々が協力して依頼を行い、多少強引な方法でもFH陣営のオーヴァードを増やすという行為に意味があったのだ。

犯人はその活動地区にいた18歳以下の中高生を無差別に誘拐し、一日に何度もインティミデーションを撃って身体に負荷をかけることで命の危機に晒してシンドロームの覚醒を促す。まだ幼過ぎず、自立していない中高生のオーヴァードが手駒や実験体として最も扱いやすかったからである。また、この事件は何重にも偽装工作が行われており、誘拐された子供の実家にはFHの工作員が姿形を変え、子供本人として紛れ込んでいた。

選別の結果、大半は負荷に耐え切れずに死亡。生き残りは栄二と17歳でありながら身重の女、たったその2人であった。FHに実験体として連れていかれそうだった中、UGN協力の下現れた4人のオーヴァードに救出された。しかし、戦闘の最中、最後の最後でツメを誤り4人とも殺されてしまう。相手のFHエージェントの方も戦闘の影響が色濃く残っていたが、まだ一般人の2人を口封じに殺す程度は訳がない。生き残ったもう1人の女性も致命傷を受け、あわや殺される直前。モルフェウスシンドロームに覚醒した栄二がFHエージェントを射殺した。

その後、協力していたオーヴァードが殺害されたのを確認した轟木をはじめUGNから増援が駆け付け2人は保護された。致命傷を負ったもう1人の女性は助かりそうもなく、最期の力を振り絞って栄二に頼み事をする。私には身寄りがない。私が死ぬのは構わないが、お腹の中の子どもだけは助けてやってほしい。できればこんな世界とは縁遠い場所で。

事件が終息した6年後、UGNチルドレンを卒業し、エージェントとなった栄二はある託児所から1人の女の子を預かった。名前は猫川美亜。数年後、情報屋として名の知れることとなるこの謎めいた少女はこの頃から栄二の家で生活を送っている。

事件の規模が比較的大きく情報統制を完全に行うことも難しかった為、世間的に円戸栄二は死亡したことになったが、例外的に両親にだけは日本政府から説明が入った。UGN所属となってからも両親との関係は良好で、年末はちょくちょく顔を出している。

現在は順当に出世を続け、本部所属のUGNエージェントとして全世界から仕事を受ける立場となった。かつてUGNチルドレンだった時代は成績優秀で教官を務めていたこともあり、比較的後輩も多い立場である。しかし本部所属となったのもつかの間。怨敵のプランナーがFHを抜けてゼノスを立ち上げたことにより日本に滞在することが多くなったことで、霧谷から再び日本支部の所属として支部長を任されかけている。霧谷も霧谷で慢性的な人材不足かつ近年はあまりに多くの逆境が日本UGNに降りかかってきている為、微妙に断りづらい条件で引き抜こうと何度も相談を持ち掛けている。

その辺の事情も何となく察せるのだが、いま日本支部は中枢評議会からの監視の目があまりにも多すぎるため、ここで再び日本所属に戻るとUGNから意図して遠ざけている猫川美亜の存在がバレかねず、どうしたもんかと頭を悩ませている。

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