容姿・経歴・その他メモ

外部組織との一切の交流を絶ち、独自に邪神対策を行う謎に包まれた、日の本の神秘の粋―――神祇省。
闇に覆われた護国結社、その独立路線にも例外は存在する。
マンハッタンの惨劇の直後、世界中で邪神事件が頻発し治安は悪化、日本も例外ではなかった。
中には神性の降臨が危ぶまれるものもあり、日本という国の霊的守護も脅かされる事態となったその時、神祇省のメッセンジャーはひとりの少年を伴って現れた。
彼はUGNの首輪、両組織公認の密告者(ダブルクロス)。
UGNの信頼が地に落ちた今、神祇省という国家組織が帝都の霊的守護のために送り込んだ使者こそが現在の大田区統括支部長“渡し守(おくりびと)”九重 弧太郎である。
年若い少年に見える彼の正体は人の理の及ばぬ怪物の類、人々の想念が生み出す夢現の間『無名の霧(マグヌム・インノミナンドゥム)』から生じた魑魅魍魎の化身―――闇の棲人(ダークワン)である。
今は昔、汚れの象徴である血を振りまく妖魔として闇夜を生きていた彼は、当時護国鎮守を担っていた術師に破れ、永劫の服従をその魂に呪刻された。
それ以来彼は今に至るまで、日本の霊的守護のため、今までとは違う形で闇夜に駆ける日々を送ることとなった。
そしてマンハッタンの惨劇により身内に抱えた異形の脅威度があらゆる組織で高まり、体の良い厄介払いとして、猟犬かも野犬かもしれぬ獣の首輪として、UGNと神祇省の間を渡る形だけの渡し守(おくりびと)として、見るも憐れな蝙蝠の舞を踊り続けている。

「私自身はほら、支部長の皆さんからすれば小指で殺せちゃうくらい弱いですからね。悪いことなんて考えてませんとも、ええ」
「もっとも、弱っちいのはあくまで私自身(・・・)なんですけれどね」
弧太郎の操る従者は、それぞれが異形の怪異の姿を取っている。
魑魅魍魎、妖怪変化、悪鬼羅刹の人形たちはその身ごと敵を爆ぜ、赤き大輪を咲かす。
此方は既に彼岸の地、咲き乱れるは曼珠沙華、三途渡って手持ちがなけりゃ、命で払え六文銭。

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