きみはUGNイリーガルだ。
きみには大切な恋人/配偶者がいる。
その平穏な生活を守るためにも、ジャームやFHは倒さなければならない。

　R市にて江戸時代に始まった高利貸しを祖とするこの地域の裏社会を牛耳る『九条会』。仁義に熱く、忠義を重んじる。
現在のシノギは武器の販売、金貸、不動産、傭兵業(オーヴァードを含む民間軍事会社の経営)、賭博場の運営などである。
数年前までは(武器が飛ぶように売れるため)FHも取引相手としていたが、ある事件をきっかけに｜袂《たもと》を分かつ。現在はUGNや神城グループ(現会長派)を中心に取引をしている。


会長:九条 ｜龍之介《りゅうのすけ》(56)
　朱雀の父。非オーヴァード。その圧倒的なカリスマ性から組の構成員から絶大な支持を集めている。居合の達人でもあり、襲撃してきたFHのエージェントをその身一つで退けたことも。
　最近、オーヴァードとやらになったせいで全く御しきれなくなった妻や娘が色々とやらかした結果、組の規模がグローバルにどんどん大きくなっているので胃が痛い。さっさと朱雀に跡を継いで欲しいが、いつも｜玲香《れいか》の後始末に奔走している姿を見ているのでもう少しだけ頑張ろうと思っている。
　なお入婿である。


副会長:九条 ｜玲香《れいか》(28)
　朱雀の姉。元から何でも出来る天才だったのにピュアノイマンのオーヴァードになってしまい、さらに手がつけられなくなった。(本人曰くほんの少し頭の回転が早くなっただけらしい)その膨大な知識に基づいた予測と推理は未来予知に等しく、組の構成員は頼りにしながらも畏れている。朱雀の認識では、物心ついた時から絶対に適わないし逆らってはならない人。


九条 ｜逢華《あいか》(52)
　朱雀の母。数年前にピュアソラリスのオーヴァードになったことで立場と仕事を娘の玲香に譲り、自由気ままに世界中を飛び回っている。年に数回(正月と盆と不定期)帰ってくるが、溢れ出るカリスマ（とソラリス特有のあれ）で旅先で現地人を従えてしまい、現在の構成員は非常にグローバルになってきている。ちなみにソラリスの能力で見た目が若返ったので年齢不詳すぎる状態である。


九条 ｜深琴《みこと》(22)
ハヌマーン×ノイマン+オルクスのトライブリード
　分家の従姉妹（逢華の妹の娘）。昔から玲香のことを姉のように慕っており、半ば狂信的な言動をしている。朱雀のことをライバル視しているため、朱雀と言い争いになり玲香に窘められることも。相手を近寄らせずに二本の鞭を縮地と共に振り回すという凶悪な戦闘スタイル。


会長付秘書:近藤 アルヴィン(55)
　元プロボクサー。キュマイラ×エグザイルのオーヴァード。片目に眼帯をしている。将来を｜嘱望《しょくぼう》されるボクサーだったが片目を怪我をして腐ってしまっていたところを龍之介に拾われる。｜頭《かしら》のためならなんだってするタイプ。


モニカ・リリエンタール(25)
　10年前、母親が突然ドイツから連れてきた訳ありであり、紆余曲折の後に何故か朱雀の許嫁となった。九条家が引き取り様々な教育をしたところ、戦闘技術や交渉術など様々な技能を身につけた。また、大学、大学院では航空力学を修め、現在は神城グループの航空系の研究施設で働いている。


エルピス・リリエンタール(クローンモニカ)(0)
　最近増殖した──してしまった──許嫁であるモニカのクローン体。許すまじ〝サウザンド〟並びに〝BOX〟。それと、姉貴は何を考えてるんだ、などとモニカの目に入らないよう小一時間ほど上空でキレ散らかしていたが、アレに逆らうことは死よりも怖い目に合いかねないので諦めた。
　例の事件の後、裏で姉が手を回したことでドイツの戸籍を偽造し、それを用いて正規の手続きで就労ビザを得て日本にいることになった。周囲には生き別れた双子の妹という設定で通している。｜リリエンタール家《ヘンリエッタさん》は突然、産んだ覚えのない娘が生えてきたので大変らしい。


〜10年前の裏事情〜
　リリエンタール家はドイツを拠点とするマフィアのファミリーである。元騎士爵位の貴族であったが、要人警護や諜報活動などに従事することが多かった。
　産業革命以降は欧州諸国の印刷業界を牛耳り、現在は巨大な出版社を経営している。その裏で情報屋として各業界のゴシップや機密を沢山抱えているため、表社会と裏社会の両方に重宝される一方、その情報と命を狙われることも多い。
　そんな中、10年前にリリエンタール家は存亡の危機に立たされた。当主であるラインハルトが病気により突然死したのだ。更に不幸は続き、次期当主と目されていたオスカーが暗殺されてしまった。当主不在となったリリエンタール家とオスカーの妻であるヘンリエッタは一族の血を引くものにしか開けられない特殊な認証の金庫を守るために、最後の鍵である娘のモニカを隠すこととしたのだ。
　その時にヘンリエッタが頼ったのは大学時代に知り合った九条逢華その人であった。なお、結果的にモニカは幾度となく身柄を狙われてきたが、その度に玲香と朱雀が敵対組織を壊滅させて助けていたため現在は滅多に狙われない状態となっている。