■プロフィール

「…護るべきものくらい、自分で考えさせてください」
　　　　　　――覚醒した“夜凪”、ＵＧＮへの加入を拒む


名前:｜音無 悠《おとなし ゆう》
性別:男 年齢:16
ブリード:ピュアブリード
シンドローム:ウロボロス
ワークス/カヴァー:医者/高校生
所属:―（N市イリーガル）→UGN・N市支部エージェント
コードネーム:“｜夜凪《ウィンドレス》”
身長/体重:166cm/50kg

■来歴

●幼少期

　N市の裕福な家庭の一人息子として生まれる。両親がともに大病院に勤める医者であり、幼少期から家では基本的に一人だった。そのため、近所に住む間凪麗と過ごすことが多かった。唯一ともいえる心の拠り所であった間凪は、彼のことをよく理解してくれ、同い年ながらも姉のような存在だった。
　間凪が失踪したのは、ちょうど小学校に上がるくらいの年である。なぜいなくなったのか、なぜ帰ってこないのか、なぜ自分を置いていったのか、よくわからないまま泣いていた彼を、両親が優しく抱き寄せることはなかった。
　聡かった彼は、子供ながら気付く。両親は自分が大事なのではなく、優秀な息子がいるという外聞が大事なのだと。

●少年期

　幸い勉強はよく出来たので、医者とさせようとしている両親の期待には応えられた。代わりに、自分が誰かに期待することは無くなった。出来ることは全て自分でこなし、出来ないことは早々に諦める。堅実で現実的な、独りよがりな思考感覚を身に付ける。人付き合いも最小限に、ただし外聞は良く振舞う、優等生を演じた。
　中学生活も半ば、学校全体に“風邪”(*1)が流行した時期があった。一般的なウイルス感染症と同様の症状を呈するものであり、学級閉鎖をしたクラスもあった。
　ただし音無はこれに感染しなかった。正しくは、感染したことに気付かなかった。
　数日後、彼の影は彼に笑いかけた。
　彼は不思議と、恐怖しなかった。
　彼もまた、影に笑った。

●UGNとの出会い

　“風邪”が流行したという情報を、一歩遅れてUGN・N市支部も掴む。土御門支部長（たっつんさんPC）を中心に、適切な調査やフォロー、記憶処理が行われた。その過程で音無のウロボロスシンドローム覚醒が発覚する。結果的にはUGNが、FHに先んじて彼を保護するに至った。
　しかし音無は、UGNへの加入を拒否した。そもそもUGNという組織やレネゲイドウイルスの存在に懐疑的であったこと、形式的とはいえ大切な家族と自分の安穏な生活を守っていきたいこと、何より間凪と再会できた時に、当時と変わらない自分でいたいというもはや叶わないであろう幻想を理由に、イリーガルとして生活していくことを決める。
　自分の身体に変調を感じた時は速やかに検査を行ってもらうという条件の元、UGNの人手が足りず、かつ自分に時間に余裕のある機会のみ、N市支部の要請を受けて活動する。
　もっとも、日々を計画的に過ごす彼に、時間の余裕の無い機会などが訪れたことは無い。

●現在

　それから数年が経ち、今なおイリーガルとして過ごしている。
　現在のところは身体への悪影響は見られていない。勉強も十分に出来ており、両親も喜んでいる。他人の力を奪い取ることに長けているレネゲイドウイルスを首尾よく制御し、UGNでも立派に活躍している。
　万事上手くいっている。しかし、いつまでこの生活が続いてくれるのかは、誰にもわからない。
　それを音無も理解している。だからこそ、間凪に抱く思いを片時も忘れたことは無い。
　いつか死ぬ前に、もう一目でも会いたい、と。

補足

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