血を受け継ぐブラム＝ストーカーとそこから派生する他シンドロームという形でのクロスブリードが主の一族。表立っては地主ということで通っている。
レネゲイドウイルスに感染した場合100％オーヴァード化し、シンドロームも半ば固定された状態で発現するという点で各種オーヴァード組織から注目を集めている（例外的にブラム＝ストーカーを持たない者も僅かに存在）。これを活かし各業界へオーヴァード血族を派遣することで財を成していた。

宗家当主は代々祖である"現人神"の意識を自らの身に宿すためノイマンのシンドロームを得ているもの（相応の知能をもつ者）でなければならず、他シンドローム持ち（ないし単に当主候補として劣る者）は分家とされる。
今代の当主候補が産んだ子のうち唯一妾腹から生まれたのが優也であり、それ以外の兄姉は全て当主とその妹の近親婚によって生まれた子供である。
本来血を薄める行為である、血族以外との婚姻並びに子を設けることは重罪である上に優也が全くオーヴァード化の予兆を見せなかったため間引かれる寸前であった。
が、恩赦を願った父が改めて妹との間にもうけた弟たる統也が神蔵の求める完璧の存在であったために恩赦として家からの追放処分で済まされた。
5歳年下の宗家の嫡子たる統也の優秀さを他の当主候補が疎む中、唯一優也は良き兄として接していた。
統也が5歳となって次期当主が確定し、優也が家を追い出されるまでは兄様と呼ばれるほどに慕われていた。

始祖たる現人神を今日に至るまで受け継ぎ、根拠なきその妄執にレネゲイドウイルスが宿ったことでその血の中に祖の意志が眠るようになった神蔵家の中でも、血統に宿るレネゲイドウイルスが明確な自我を持ち器の意志を侵蝕するほどに苛烈であることは極めて稀。