検体11号（以下「彼女」と呼称する）は、■■■地区にて発見された特殊存在である。
外見は未成年の少女のように見えるが、その生物学的特徴および挙動には異常が多分に含まれている。

彼女の見た目は以下の通りである。

肌色：褐色色
髪色：乳白色
目の特徴：オレンジ色の虹彩、あみだくじのような特異な瞳孔模様

発見当時、彼女は黒い汚泥に倒れており、意識は混濁していた。
この汚泥は現在解析中であるが、未知の有機体成分が含まれている。

生物学的特徴
・身体構造
　レントゲン撮影では人間と同様の骨格・臓器が確認されたが、解剖によりそれらは汚泥と触手状構造が擬態したものであることが判明した。

・変容能力
　外見および生物的特徴を自己変容させる能力を持つ。この変容は肉体構造や外見のみならず、性別や生理的機能も含む。

・知性および言語能力
　高度な知性を有し、言語による意思疎通が可能である。会話においては礼儀正しい態度を保ち、協力的な姿勢を示すことが多い。
　本名として「アーロノヴィッチ・ラベルトニエール・エセルフリッド・グラッドシュタイン・ルーベンス・エトルスキラ」と名乗ったが、言及を避ける部分がある。
　記憶の混乱を誘発し、実験進行の障害となるため、個人を特定するような話題は避けること。

・捕食能力
　無機物、有機物問わず食べることが可能。
　その許容量は人間のそれを遥かに凌駕し、明らかに体より大きな生物でも捕食することができる。

・触手の生成能力
　体内や汚泥から触手を発生させ、操る能力を持つ。
　その精度はまちまちである。

観察および実験記録
1. 食事および飢餓に関連するインシデント（Sample11_A）
極限の飢餓状態下に置かれた際、以下の事象が発生。

収容違反：収容室から脱走し、生物および無生物を問わず捕食行動を開始。
セクター破壊：当該セクターの■％を損壊。彼女が気絶するまで捕食行動は停止しなかった。
対応策：充分量の食事を継続的に供給し、極限状態を再現しないことが指示された。

2. 意識を奪う実験に関連するインシデント（Sample11_B）
痛みを伴う解剖実験の際に発生。

肉体変容：男性型の肉体構造に切り替わり、切除部位が短時間で治癒。
敵対行動：覚醒後、スタッフを殺害。敵対的な行動を■日間継続した。
人格の変化：通常時の人格とは異なる男性型人格が現れたことが確認された。
対応策：意識を長時間奪う実験を制限する指示が発行された。

今後の指針

1. 収容体制の強化
セクター■■へのアクセス制限を強化し、収容違反を未然に防ぐ。

2. 食事管理
定期的かつ充分量の食事を提供することで、飢餓状態の再現を回避する。

3. 観察強化
彼女の変容能力および人格変化について、より詳細なデータを収集。特に、変容時に発生する汚泥の解析を最優先課題とする。

4. 対処マニュアル作成
異常事態に備えた緊急対応マニュアルを整備し、全スタッフへの周知を徹底する。

備考
検体11号の存在は、既知の生物学的範囲を超える現象を含む。引き続き、彼女の収容と研究を慎重に進める必要がある。

■■■研究所地下セクター■■において、重大な収容違反を伴うインシデント（Sample11_G）が発生した。
検体11号（以下「彼女」）は当該インシデント以降、現在行方不明である。研究所全体への被害は甚大であり、対応には緊急対応チームと外部協力機関が動員されている。

インシデント詳細
1. 発生日時
■■■■年■■月■■日 ■■:■■

2. インシデント経緯

未明、セクター■■のモニタリングシステムに複数の異常が記録された。
続いて複数の収容セルが解除され、研究所全域にわたる停電が発生。
監視カメラの映像から、彼女が変容能力を用いてセクターの制御システムを操作した可能性が確認された。

3. 収容違反の規模
セクター■■の収容対象（生物および異常物質）の80%以上が解放。
研究施設の約40%が構造的損壊を受け、封鎖が必要と判断された。
スタッフ■■名が死亡、■■名が行方不明、■■名が負傷。

4. 彼女の行動記録
異常事態発生後、彼女は監視システムからの追跡を回避するよう行動。
最終的に、セクター■■出口付近で姿を消した。付近には大量の汚泥が残されていたが、行動の詳細は不明。

被害状況
人的被害

死亡：■■名
負傷：■■名
行方不明：■■名
施設被害

収容施設セクター■■の完全損壊
通信設備およびモニタリングシステムの破壊
試験中の複数の研究サンプルの散逸

現在の対応状況

1. 行方不明者捜索
彼女および他の行方不明者の捜索活動を優先的に実施中。

2. 施設封鎖
セクター■■を中心に研究施設全域を封鎖。
異常物質および収容対象の二次災害を防止するため、専門チームによる汚泥の除去作業を進行中。

3. 調査チームの設置
インシデント発生原因と彼女の意図的関与の有無を調査するため、内部および外部調査チームを設置。

備考
現在、彼女が外部に対して潜在的な脅威をもたらす可能性が高いと判断されている。
関連する機密事項は全て最高機密レベルに分類され、情報の取り扱いには細心の注意を払うこと。
研究所の安全および社会的影響を考慮し、即時対応のための全リソースを動員する。

インシデント(Sample11_L)が発生。
詳細は後日記載する。

■■■■年■■月■■日をもって、検体11号の捜索は無期限休止とする。

■■■研究所は放棄された。