元々はとある一般家庭の子供として生を受けた。
生まれながらにして先天性の無毛症を患っていた彼は、小学校に入学した時期を境に周囲から孤立するようになり、無視や罵倒、からかいと言ったいじめを受けるようになった。さらに実の両親は彼の存在を理由に仲が険悪となり、喧嘩と彼を疎んでの押し付け合いが毎日のように頻発。結局両親は離婚し、彼は遠い親戚の下に預けられる事となった。
このような幼少期を経た彼は、高校生となった頃に自分を変えようと筋力トレーニングを開始。肉体を鍛え上げる事に青春のほぼ全てを費やし、常人を越えた肉体を手に入れる事に成功した。しかし、彼の風貌はそれによってより威圧感のある風貌へと変わり、直接的にいじめ等を受ける事は無くなったものの、周囲の溝はさらに深まる事となった。
だが、ある日彼は突然オーヴァードの力を手に入れ、さらにその場に偶然居合わせた幼少期のテレーズ・ブルムとの出会いを果たす。彼女との交流の中で他者が自分の容貌を恐れず、あるがままの人間として受け入れてくれるという初めての経験をした彼は、UGNのエージェントとなり、彼女のために尽くす事を決意するのだった。

彼がUGNのエージェントとなってから数年後。真摯に働き、支部長としての地位を手に入れた彼だったが、自分の容姿に関するコンプレックスは未だに拭えずにいた。
だが、ある日の任務中、彼はとあるFHセルの手にかかり、捕縛され研究の実験台とされてしまう。その研究とは「キュマイラやエグザイルの性質を持ったレネゲイドウイルスを体内に投与する事で意図的な人体変異を引き起こす」というものであり、彼にもレネゲイドの投与が行われた。その結果、彼は体が少女のものとなってしまった上、遺伝子情報の変化が起こったためか、毛髪が身体に生えたのである(後ついでにエグザイルのシンドロームも手に入れた)。
その後UGNによって無事(？)救出された彼は、初めて自分の容姿を見た時に瞠目した。

髪がある事に。

そして、自分の可愛さに。

UGNエージェントとして組織に忠実に働き続けてきた彼だったが、この時ばかりはFHに感謝したという。エグザイルの力も手に入れたので元に戻ろうと思えば戻れるのだが、他の人間からの提案にも断固拒否の姿勢を示した。
それから彼は少女の姿で生活するようになり始め、更には今まで見た事も無いはっちゃけ具合を見せるようになった。無論中身は成人男性なのでよく考えれば痛い言動なのだが、見た目が美少女である事とこれまでの生い立ちから、部下や他のエージェント達からは温かい目で見守られている。それがさらに彼の言動を助長しているのだが、依然と変わらず仕事はこなしているので文句を言う人間は一人もいない。最近では流行のコーデに身を纏い、通い始めた女子中学校の友人とスイーツ談義をし、テレーズ・ブルムを「テレちゃん」などと呼び始めているという。
彼の明日はどっちだ。

普通ならば肉体の自由自在な変化など朝飯前のエグザイルだが、後天的に力を手に入れた彼は可能な変化の範囲に限りがある。特に普段生活している少女の姿は最も難易度が高く、姿を取るだけで本来持つオーヴァードとしての力のほとんどが封じられてしまうため、普段は実質ただの少女と変わりない力しか持たない。だが、一度普段の姿から解き放たれれば、鍛え上げられた筋力とオーヴァードとしての力を操る事ができ、無類の戦闘能力を発揮する。ただし、その代償として首から下(首から上は、本人のアイデンティティのために気合で死守している)が元のはち切れんばかりのマッチョの姿へと変わってしまうため、本格的な戦闘の際以外は部分的な解放のみを行っている(腕や足のみを元に戻すなど)。また、戦闘の際は巨大な棘の付いたメリケンサックを作り出し、武器にする。イメージは鋼の錬金術師のアームストロング少佐。
データ的な面で語るなら、火力を上げて殴るパワー型。単体にしか攻撃できないが、その分攻撃力固定値の暴力と装甲無視で相手を粉砕する。ダイスが少なめなのがネックか。

最近TSものアニメが流行ってるのと、シン・仮面ライダーを見たので作ってみた。
自分という存在のアイデンティティをガワに置いてるという面で言えばダブルクロスらしいシリアスさがあるかもしれないが、卓中は基本的にギャグ枠で行けたらいいな…。