ＵＧＮに研究者として所属している、怪しい風貌の老人。オーヴァードの研究、特に能力者の強化方法に関する研究を専門としている。

普段は自身の研究室に籠っており、怪しい新薬の開発や捕らえたファルツハーツエージェントの尋問などを行なっている。その不気味さから大抵の仲間たちからは残虐なマッドサイエンティストとして恐れられている。しかし彼の作る『パーフェクトカレー（添加物100%）や『超元気のでる水（添加物100％）』は一部のコアなファンを獲得しており、全てのＵＧＮ員から嫌われているわけではない。

しかしＵＧＮ内部で、彼の本性を知るものは非常に少ない。真宮寺惟浩の本当の正体、それはかつてファルツハーツで能力者開発部門の主任研究員であり、ＵＧＮ内でブラックリストに載っていた重要危険人物である。

真宮寺は若い頃からレネゲイドウィルスやオーヴァードの存在を認知していた。知見を深めるほどに、レネゲイドウィルスこそが人類をさらなるステージに進化させる要因であると信じるようになり、数々の研究活動や論文を発表していた。これらの活動がファルツハーツの目に入り、潤沢な研究費用を提供することを条件に彼を組織に勧誘した。

ファルツハーツに所属後、真宮寺は組織の力によって念願の能力を手に入れた。しかし非オーヴァードのオーヴァード化に対するノウハウが充分ではなかった当時の方法は、その弊害として彼の思考領域、特に倫理観を破壊した。そのため彼は能力獲得後、洗脳に近い話術で少なくない数のＵＧＮエージェントを誘拐し、数多の非人道的な実験を繰り返していた。この情報を知る一部のＵＧＮ上層部は彼を『ハーメルン』と呼び、脅威としていた。

ファルツハーツに所属してからは順風満帆な活躍を見せていた真宮寺だが、ある1人の天才と相見えたことで彼の人生は大きく変わっていく。その天才とは早乙女勇次郎、『目覚めた正義(ザ・ヒーロー)』草津浩司を改造した男である。

当時、能力者開発部門の主任研究員へと昇級した真宮寺の元に、早乙女は副主任として別支部から配属された。早乙女の研究アプローチは真宮寺にとって画期的なものであり、また、共に「人類の先に興味がある」という思想をもっていたことから二人は良き理解者として、時には良き好敵手としてお互いの研究に精を出していた。

しかし、低いコストで、低戦力ながらも容易に戦闘員を増やせる早乙女の「能力者開発計画」に対し、コストが掛かり、かつ失敗のリスクが高い真宮寺の「能力者強化計画」は組織の方針に合わなくなり、真宮寺は次第に組織から疎まれるようになった。彼はこの事実を受け、これ以上ファルツハーツでは充分な研究をすることができないと悟り、組織を脱退。以後早乙女に研究結果で勝つことを誓った。

真宮寺がファルツハーツを脱退したことで、彼はしばらくの間ＵＧＮとファルツハーツの両組織から命を狙われることになる。
先に彼の潜伏先を見つけることができたのはＵＧＮであり、彼の死が目前となった。しかしここでＵＧＮ内部で、危険な彼を即刻殺す意見と、彼を殺さずＵＧＮの強化に貢献してもらう意見に分かれた。
長い議論の結果、後者の意見が採用されることとなり、以後神宮寺はＵＧＮに籍を置き、現在に至る。