“銀の紅”ラフュー・マウ・ルント
プレイヤー:暖ゴロ
「やっほぉ。おねーさんに用かなあ」
- 年齢
- 最低でも300は超えてるかな
- 性別
- 女
- 星座
- 不明
- 身長
- 190cm
- 体重
- ギリギリ2桁
- 血液型
- LF-A/Silver
- ワークス
- 医者
- カヴァー
- 吸血鬼
- ブリード
- クロスブリード
- シンドローム
- ブラム=ストーカー
- サラマンダー
- HP最大値
- 28
- 常備化ポイント
- 8
- 財産ポイント
- 5
- 行動値
- 6
- 戦闘移動
- 11
- 全力移動
- 22
経験点
- 消費
- +54
- 未使用
- 0
ライフパス
| 出自 | まあ、覚えてないってだけなんだけどねぇ | |
|---|---|---|
| 天涯孤独 | ||
| 経験 | …………二度も死なせちゃった。 | |
| 消せない傷 | ||
| 邂逅 | もう、覚えている人のほうが少ないよぉ | |
| 忘却 | ||
| 覚醒 | 侵蝕値 | なんだか、忘れっぽいんだよねぇ |
| 忘却 | 17 | |
| 衝動 | 侵蝕値 | 自分が一番嫌いだ。 |
| 自傷 | 16 | |
| 侵蝕率基本値 | 33 | |
能力値
| 肉体 | 3 | 感覚 | 2 | 精神 | 2 | 社会 | 2 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| シンドローム | 1+2 | シンドローム | 2+0 | シンドローム | 1+1 | シンドローム | 0+1 |
| ワークス | ワークス | ワークス | ワークス | 1 | |||
| 成長 | 成長 | 成長 | 成長 | ||||
| その他修正 | その他修正 | その他修正 | その他修正 | ||||
| 白兵 | 6 | 射撃 | RC | 1 | 交渉 | ||
| 回避 | 知覚 | 意志 | 1 | 調達 | 2 | ||
| 知識:医療 | 4 | 情報:学問 | 1 | ||||
| 知識:レネゲイド | 1 |
ロイス
| 関係 | 名前 | 感情(Posi/Nega) | 属性 | 状態 | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Dロイス | 遺産継承者:銀色の腕 | ― | 銀色の腕取得。 | ||||
| あの村の人々 | 連帯感 | / | 悔悟 | 私がいなければ、死なずに済んだのかな。 | |||
| ラウル・アスター・ハルヴェルト | 友情 | / | 憤懣 | ……どうして、あんなことを。 | |||
| / | あの少女をロイスにすることはできない。もう、思い出せないから。 | ||||||
| ― | |||||||
| ― | |||||||
| ― | |||||||
エフェクト
| 種別 | 名称 | LV | タイミング | 技能 | 難易度 | 対象 | 射程 | 侵蝕値 | 制限 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| リザレクト | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 効果参照 | ― | |
| (LV)D点HP回復、侵蝕値上昇 | |||||||||
| ワーディング | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | シーン | 視界 | 0 | ― | |
| 非オーヴァードをエキストラ化 | |||||||||
| コンセントレイト:ブラム=ストーカー | 2 | メジャーアクション | シンドローム | 対決 | ― | ― | 2 | ― | |
| 組み合わせた判定のC値を-LV(下限値7)。 | |||||||||
| 乾きの主 | 1 | メジャーアクション | 〈白兵〉 | 対決 | 単体 | 至近 | 4 | ― | |
| 組み合わせた攻撃に装甲無視を付与。命中した場合自身のHPを[LV×4]点回復する。素手と《赫き剣》限定。 | |||||||||
| 血の宴 | 2 | メジャーアクション | シンドローム | 対決 | 範囲(選択) | ― | 3 | ― | |
| 組み合わせた攻撃の範囲を範囲(選択)に変更。1シナリオにLV回使用可能。 | |||||||||
| フレイムタン | 1 | メジャーアクション | 〈白兵〉 | 対決 | ― | 視界 | 2 | ― | |
| 組み合わせた白兵攻撃の射程を視界に変更。ただし攻撃力-[5-LV(最大0)]。 | |||||||||
| 炎陣 | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 2 | ― | |
| ダメージロール直前に使用。行動を消費せずカバーリングを行う。1メインプロセスに1回のみ使用可能。 | |||||||||
| 氷盾 | 4 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 2 | ― | |
| ガード時宣言。そのガード中、自身のガード値+[LV×5]。 | |||||||||
| 氷河の壁 | 2 | オートアクション | ― | 自動成功 | 範囲(選択) | 至近 | 3 | リミット | |
| 前提:《氷盾》。《氷盾》と同時に使用。このエフェクトの対象がそのメインプロセスで受けるHPダメージ-10。1シーンにLV回使用可能。 | |||||||||
| 血返しの魔槍 | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 効果参照 | 効果参照 | 7 | 100% | |
| 自身にHPダメージが適用した直後に使用。そのHPダメージを与えたキャラクターを対象とし、自身が受けたHPダメージと同じだけのHPダメージを受ける(最大[LV×20]点まで)。1シナリオに1回のみ使用可能。 | |||||||||
| アップドラフト | 1 | メジャーアクション | ― | 自動成功 | 範囲(選択) | 至近 | ― | ― | |
| 上昇気流を発生させ、自分や周囲の見方を飛行状態にする。戦闘中は使用不可。 | |||||||||
| 赫き器 | 1 | メジャーアクション | ― | 自動成功 | 単体 | ― | ― | ― | |
| 血液から日用的な小物を制作する。 | |||||||||
コンボ
銀穿輪
- 組み合わせ
- 《C:ブラム=ストーカー》+《乾きの主》+《血の宴》+《フレイムタン》
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 白兵
- 難易度
- 対決
- 対象
- 範囲(選択)
- 射程
- 視界
- 侵蝕値
- 11
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 3+2+侵蝕B
- 8
- 6
- 7(+3D)
- 100%以上
- 3+2+侵蝕B
- 7
- 6
- 8(+3Ð)
- 3+2+侵蝕B
装甲無視の白兵攻撃。命中した場合自身のHPを[《渇きの主》のLV×4]点回復する。銀色の腕の効果使用時のみ攻撃力に()加算。
血銀の流腕を環状に変化させ、高速回転する丸鋸のような状態で投擲する。敵を切り裂いた後、相手の血を奪い取って体に帰ってくる。
イメージとしてはPS2ソフト『ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth』に登場する敵キャラ・カオスロイドUの使用する「カオス八つ裂き光輪」。
凍血壁
- 組み合わせ
- 《氷盾》(+《氷河の壁》)
- タイミング
- オートアクション
- 技能
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 射程
- 侵蝕値
- 2(5)
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- ガード値→
- 27
- 100%以上
- 32
ガード時宣言。
血銀の流腕を大きく伸ばして凍らせることで壁のように防御に用いる。他者を守ったり、攻撃の勢いを弱めたりすることができる。
銀散華
- 組み合わせ
- 《血返しの魔槍》
- タイミング
- オートアクション
- 技能
- ―
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 効果参照
- 射程
- 効果参照
- 侵蝕値
- 7
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%以上
自身にHPダメージが適用した直後に使用。そのHPダメージを与えたキャラクターを対象とし、自身が受けたHPダメージと同じだけのHPダメージを受ける(最大[LV×20]点まで)。1シナリオに1回のみ使用可能。
| 武器 | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 命中 | 攻撃力 | ガード 値 | 射程 | 解説 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| "吸血鬼殺し"血銀の流腕 | 白兵 | 〈白兵〉 | 0 | 11 | 7 | 至近 | "銀色の腕"で変更された素手。 |
| 一般アイテム | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 解説 |
|---|---|---|---|---|---|
| 銀色の腕 | 一般 | 素手のデータを変更。ダメージロールの直前に使用すると、その攻撃のダメージに+3D。この効果は1シナリオに1回のみ使用可能。 素手を利用した攻撃かガードを行うたび、HPを2点失う。 | |||
| エンチャント | 10 | カスタマイズ(武器) | 素手指定。選択エフェクト《乾きの主》。選択したエフェクトを組み合わせた改造元アイテムによる攻撃の判定ダイス+2個。 | ||
| デモンズシード | 3 | 一般 | 《氷盾》選択。選択したエフェクトの最大レベル+1。ただしそのエフェクトの侵蝕率+1。 | ||
| 思い出の一品:銀色のピアス | 2 | 一般 | 〈意志〉判定の達成値+1。 忘れ得ぬ後悔の証。 | ||
| コネ:手配師 | 1 | コネ | 〈調達〉 | 〈調達〉の判定ダイスに+3個。1シナリオに1回のみ使用可能。レアアイテム。 その時々によって違う相手を頼っている。 |
経験点計算
| 能力値 | 技能 | エフェクト | アイテム | メモリー | 使用総計 | 未使用| 0
| 17
| 154
| 13
| 0
| 184
| 0/184
| |
|---|
侵蝕率効果表
現在侵蝕率:
容姿・経歴・その他メモ
「ん、どうしたの?おねーさんに診せてごらん?」
──"銀の紅"ラフュー・マウ・ルント、路上で保護した瀕死のチルドレンに目線を合わせ──
超ざっくり言うと
ほんわかお姉さん……であると見せている復讐者。にもなり切れない、空っぽ。
こんなにどうしようもない重さになるつもりもなかったし、こんなに果てしないキャラシの長さにもするつもりなかったんです!信じてください!
ハンドアウト除いても9500文字以上、含めると10200字くらいらしい。
ハンドアウト
PC3 :人と共に生きる吸血鬼
推奨カヴァー/ワークス 指定なし/指定なし
∟UGNに協力できる立場であれば可
ロイス:ラウル・アスター・ハルヴェルト
推奨感情 P:友情・信頼など/N:憎悪・憤懣・隔意など
▽来歴
君はUGNに協力する、人と共に生きてきた吸血鬼だ。 かつて君は人々が暮らす村の一員として、吸血鬼でありながら人間と共に穏やかに暮らしていた。
そんな君はある日、ラウルと名乗る吸血鬼と出会う。 行き倒れひどく衰弱していた彼を君は助け、ラウルはその力が戻るまでの間、君と共に村に住むこととなった。 口数少ない彼は多くを話すことは無かったが、それでもそんな彼と過ごす時間は悪くないものであり、いつしか君とラウルは“友人”と呼べる関係性になっていた。
しかし、その関係が長く続くことは無かった。 ラウルが村に来てから数年後。君が見たのは無残に殺しつくされた村の人間たちと、その手を朱色に染め独り佇む、ラウルの姿だった──。
▽現在
そして今から5年前。あの後止めること敵わず行方をくらませた彼を追って、君は港野市にたどり着くことになる。 『ロスト・ワン』の最中PC4を助けた君は、その縁から度々UGNと協力することになりながら、この街にとどまって今に至る。
それは5年前…否、あの日から袂を分かつこととなった彼と再び相対するため。
かくして再び行動を始めたラウルに対し君もまた、夜を生きる者として、かつて友人だった者として、その野望を阻止するべく戦うこととなる。
▽キャラ作成について
・年齢に制限は無いが、過去ラウルに村を滅ぼされ、5年前彼を追って港野市を訪れたという経歴から数十〜数百歳 程度を推奨する。
・PC3がラウルと共に村で過ごした年代は数十〜百数年前程度となるが、詳しくは設定していないため、希望があれば自由に決めてよい。
サンプルセリフ
「おねーさんねえ、きみよりずうっと長生きなんだよ?なんでも知ってる……ってわけじゃないけど。力になれると思うな」
「好きな人はいるのかって?えー、内緒!……なんてね。ザンネンながら私はそういうの、とんと縁がないんだよねぇ」
「私の血はずっと、誰かを殺す血だった。……それなら、助けたい相手を殺す血よりも殺したい相手を殺す血の方が、少しはマシかなって思ったんだよねぇ」
「私に比べれば人間の寿命は短いし……背とかも目立つし。私と仲良くなった人は、みんな不幸になるから。みんな、私のことを忘れる前に死んじゃう。だから、私は……人に忘れられる悲しみを知らないの。私ばっかり忘れていって……酷いよね」
人物
一人称:私/おねーさん
二人称:きみ、おまえ
好きなもの:人間の笑顔
嫌いなもの:忘れること、自分、ラウル
好物:餅、団子、牛乳、A型
苦手な食べ物:生魚、O型
趣味:日記を書くこと、裁縫、速読
医者を名乗る吸血鬼。ひとところには滅多にとどまらず、大抵各地を放浪している。……といっても長命種のライフスケールであるため、10年くらいなら長居にカウントしていない。
医療技術は確かであり、行く先々で人を救っている。医療行為には一切レネゲイド、および吸血鬼としての能力を使用しない。強いて言えば、知識量は吸血鬼の寿命を活かしているといえるが。
吸血鬼としては、強力な癒しの力を宿す血を持っていた。その影響で通常の人間とは異なる血液型を持つ。しかしある事件を境にラフューはその力を使わず尋常の医療技術で人を治すようになり、現在は癒しの力そのものが失われている。
弱点は「銀」と、「細かいものを撒かれると数えてしまう」。
人間から直で血を吸うことはここ数百年なく、医療行為の見返りに輸血パックを貰うなどで血を摂取して生きている。なお、戸籍を持っていない以上医師免許も当然ないので裏社会の手配師に作ってもらった偽造品を使っている。どのみち一箇所に長居しないので基本バレない。
ちなみに牛乳は血の代用品として飲んでいる。少しずつ摂取量を増やしており、いずれ人の血を飲まずに済むようになろうとしている。
そうして各地を放浪しながら、ラフューはずっと仇敵ラウルを追っている。
彼を殺すために吸血鬼殺しの聖なる銀を集め、それを自らの血に混ぜ込んだ。その影響で彼女の血は銀色に染まり、癒しの力はすべて失われた。厳密には、銀がラフュー自身の肉体を常に破壊し続けており、それを修復するのに力のすべてが使われているために他者に向けることができなくなった。
また、銀に体を蝕まれている影響で脳を損傷し記憶能力が劣化しており、人間だったころの記憶、かつて傷つけてしまった少女の顔や名前すら忘れてしまった。そのため、これ以上何かを忘れることを恐れて毎日非常に細かい日記をつけている。
容姿
白い長髪で右目、および顔の右側の傷跡を隠している。その右目は銀色に染まっているが、これは銀を自らの血に混ぜた影響。本来は左目同様緑色の目をしていた。傷跡は右半身全体に広がっており、リザレクトで消すこともできたが戒めとしてそのままにしている。右腕は黒い長手袋のようなアームカバーで覆っており、普段は通常の腕と変わらず使える。しかしこのアームカバーを外すと液体金属のような銀色の腕が現れる。
右足にも傷跡が残り、未だ機能が十全でなく少し歩き方が変。あまり歩けないので、長距離移動は基本的に《アップドラフト》で発生させた気流に血液操作で腰から生やした翼を組み合わせて空を飛ぶ。
目を見張るような長身に加えスタイルもよく、どこにいても目立つ。
赤いタートルネックセーターの上に黒いジャケット、腰のラインが出るスキニーデニム。足元は旅人だからか歩きやすさを重視し、ほとんどヒールを履かない。セーターは長袖だが、右腕部分だけ外すことができるようになっている。左耳にだけピアスをつけている。銀色だがさすがにこれは銀製ではない。ラフューにとっては、かつて傷つけてしまった少女の存在を忘れないための最後の標である。
性格
ぽわぽわとしており、非常に明るく能天気。平時はずっとにこにこしている。ともすればアホっぽいと言われるような面もあるが、医者が務まっていることからもわかるように頭が悪いわけではない。ただ、長く生きているせいで現代では迷信と判明しているがかつては正しいとされていた医療知識をうっかり持ち出しかけることはある。一方で何を考えているのかわからないことも多く、誰とでも友人になれるが親友にはならない。都合の悪いことは「忘れた」と言ってごまかす癖がある。
その実態は空虚。笑顔を仮面として本心を悟らせないように振舞っているが、その裏には何もない。
人好きなのは嘘ではない。人間が好きだからこそ、誰も不幸にしたくない。そのために自分は深く関わってはいけないと、そう信じている。 だから意図的に人懐っこく振舞う。人間関係のイニシアチブを自分で握り、心理的距離感をコントロールするために。
「いいひと」でいれば、誰も深く踏み込もうとしないから。
銀と血に塗れた私の道に、誰にも隣で歩いてほしくないから。
誰にでも同じ距離感で接すれば、その人のことを忘れてしまっても気づかれず、傷つけずに済むから。
いつか、みんなが私を忘れるように。
「忘れた」という口癖の中には、本当に冗談で言っているものと自虐、自傷めいたもの、そして本当に思い出せなくなってしまった絶望を含んだものが混ざっている。
一方で、人と関わりすぎないようにしているにも関わらず目の前で困っている人は放っておけず手を差し伸べてしまう。これはラフュー自身の魂にどうしようもなく染み付いている、性分のようなものだ。
ラウルと共に過ごした村はラフューにとっても大切な場所ではあったが、それを奪われたことがラフューにとって吸血鬼の命たる血を銀で穢してまで復讐を誓うほどの重大さだったわけではない。怒りはあるが、それは人生全てを燃やし尽くすほどではない。
では、なぜラフューはラウルを殺すために全ての人生を使い切る気でいるのか。
それは、その他に何も無いからである。
ラウルの事件はそれそのもの以上に、かつての少女との事件を含めてラフューに「自分は人間と関わってはいけない」という強迫観念を植え付けた。
人が好きで、人を助けたくて生きているラフューにとって、それは存在否定であった。
自分が存在することが人間の害になるなら、自分を殺すのが手っ取り早い。
だが、それを踏みとどまらせる心残りがラウルだった。せめて、彼を道連れにして逝きたい。それが唯一にして最後の、自分が人間のためにできること。
ラフューは復讐に全てを懸けたのではない。
自らの命を無価値と断じたために、復讐の他に懸けられるものが何一つなかったのだ。
例えるなら、心の内面全てが復讐の炎に燃え盛っているのではなく、空っぽな空洞に復讐の小さな火ひとつがろうそくのように灯っているだけ。その空虚がラフューである。
戦闘
銀の義手を用いた白兵戦闘が得意。自分の意思で自在に動く流体の銀によってトリッキーな格闘が行える。
サラマンダーとしての能力は氷炎どちらにも偏っておらず、自身の血液に対して加熱や冷却を行う形で戦闘に応用する。
得意技は、腕にしている銀の血を巨大な丸鋸のような形状に変化させてから凍らせ、投げつける銀穿輪。
血液を凍らせて盾にすることで他人を守る凍血壁も得意とする。曰く、「怪我を治すのも大事だけど、怪我させないのも大事だよね」。
さらに、奥の手として瞬間的に自分の血を沸騰させ爆発を起こす銀散華を持つ。相手の攻撃により生じた出血をトリガーとして発動し、自分もろとも相手を銀色の爆発で引き裂く。
なおこれらの技名は設定上のものであり本人は言わない。
遺産:銀色の腕
「銀色の腕」と呼ばれる遺産は複数存在している。その多くはケルト神話のヌアザ王に由来する、あるいはそれを模したものだが、ラフューのそれは違う。
多量の純銀、それも聖別を受けた退魔の聖なる銀を自らの血液に混ぜ込み、それを欠損した右腕の付け根から噴出させてブラム=ストーカーの血液操作で腕の形に変化させたものである。先述の通り普段は黒いアームカバーで抑制して通常の腕として運用されているが、外すと元が血なので液体金属のように自在に動く。このアームカバーも血を固定させ抑えるためのレネゲイドアイテムである。 自作。
血に対してサラマンダーの温度操作も併用し、程よく凍らせたり溶かしたりすることでより自在に形状を変える。
コードネーム:銀の紅、およびUGNとの関係
読んで字のごとく、銀色の血を持つラフューのことを指す。ラフューはUGNにも深く関わってはいないが、本人の気質が(化け物と人間の距離を適切に保つことを含め)UGN寄りであることもあり、一応はUGNイリーガルである。
UGNの設立自体がラウルの事件後であるため、UGNからはラフューのことを「銀の血を持つ吸血鬼」としてしか認識していない。
ラフューはレネゲイドを治療に用いない上、自分の体がボロボロであることを勘づかれたくないので医者であるにも関わらずホワイトハンドには寄り付かない。
ラウルを探して旅をし、気ままに人助けをする中で時折UGNと会った時に身分証明代わりにイリーガル認定証を見せる程度の関係だった。
しかし、ロスト・ワン以降は港野市にラウルの暗躍を感じたこともあり、UGN港野支部に一時的に身を寄せている。
経歴(クソ長いです。5000字超えてます)
吸血鬼になる以前のラフューが何者で、どういう人生を送っていたのかは定かではない。300歳以上という年齢も、ラウルの事件が300年近く前であったことから少なくともそのくらいだろう、というだけ。明確に300歳をはるかに超えているはずだが、何年前だったか覚えていないのでとりあえず最低でも300以上、と言っている。おそらく実際には1000歳以上。
ラフューが覚えているのは、自分が吸血鬼になった時そこまで深い絶望を抱かなかった、という感覚だけ。だから自分は元人間だったんだろう、そして人間だった頃はそう幸福ではなかったんだろうと考えている。
現在のラフューにとって最初の記憶は、誰かに追われていたこと。吸血鬼狩りだったか、癒しの血の力を狙う者だったかもはや覚えていないが、とにかく追いかけ回され、銀の弾丸を撃ち込まれ、死にかけた。
必死に逃げるうち、とある辺境の村にたどり着いた。その村は吸血鬼であるラフューのことも受け入れてくれたため、そこにしばらく滞在することになった。その頃のラフューは自分の持っていた癒しの力を躊躇いなく他者に施しており、その見返りとして血を貰って生きていた。医療知識はあまりなく、ただただ自分の血が人を癒せる認識しか持っていなかった。
風変わりな医者のような扱いで村に馴染んできた、そんな頃。
その日、ラフューは野暮用で隣の村を訪れていた。
そこからの帰り道、滞在していた村で最も親しくしていた少女を見掛ける。
その少女はラフューを見つけると、ぱっと笑顔を浮かべ駆け寄った。……そこが崖際であることを忘れて。
少女の踏んだ地面が崩れ、その身体を崖下に連れ去った。慌ててラフューが追ったが、そこには全身を打ち付けた少女の遺体が転がっていた。
ラフューは自分の力で少女を治そうとした。死者の蘇生をしたことはなかったが、できると信じていた。
その時ラフューが行ったのは、現代のレネゲイド知識でいえば《抱擁》と呼ばれるエフェクトに近いものだったのだろう。その死者蘇生は成功した。
しかし、目覚めた少女はすぐにその身を異形へと変えた。レネゲイドによる死者蘇生の影響でオーヴァード化し、体と心が耐えきれず即座にジャーム化したのだ。そんな知識がある訳もないラフューは何が起きたかもわからなかったが、襲ってくる少女の成れの果てに応戦するしかなかった。それまで戦闘などしたこともなかったラフューは幾度も《リザレクト》を繰り返しながら、自分の血を凍らせたり爆発させる方法を理解していった。そうして、苦戦の末ラフューはそのジャームに勝利した。それは少女を自分のせいで2度も死なせた、という事に他ならなかった。
極度の疲労と負傷、そして絶望の中、ラフューは少女の落ちた崖の近くで箱を見つけた。
その中には、銀色のピアスが入っていた。
ラフューが狙われていること、銀に弱いことを知っていた少女は、銀色だが銀ではないピアスを身につければ「銀を克服した」と思われて狙われにくくなるのではないかと考えたらしい。
それを渡すためにラフューを探していて、高いところからならラフューがどこにいるか分かると思って崖上で待っていたのだろう。
事実は分からない。しかし、少女がラフューにピアスを渡そうと駆け寄って崖から落ちたことだけはどうしようもなく真実だった。
一度目の死も、二度目の死も、自分のせいだ。そう気づいたことで、ラフューは一つの結論に至った。自分のような化け物は人を不幸にするだけ。関わるべきではない、と。
少女の遺体を村に返すと、何も言わずに去った。両耳に銀色のピアスをつけて。
以来、しばらくの間放浪を続けていた。宛もなくさまよい、人を助け、顔を覚えられないうちに逃げるように去る。それをひたすら繰り返した。
自分の癒しの力を恐れ、使わないと誓いながらも怪我人を見るとつい駆け出してしまうから、血を使わずとも怪我を治せるように医療を学びだした。この時点で人間との関わりを避けながら人間を救う術を学ぶという矛盾した状態になっている。
どれほどの年月が経ったか。心身共にすり減ったラフューは、行き倒れたところをある村に保護される。かつて滞在していたあの村とどこか雰囲気が似ている村……あるいは、ラフューのいない間に住民の世代が変わっただけで同じ村なのかもしれない。当時は血に銀も混ざっていなかったし、そうだったとして気づかなかったのは単に長い年月がもたらす自然な記憶の摩耗だろう。
もう人間と関わらないと決めたはずなのに、村人たちの温かさに触れるうち絆されていった。もう一度、人間の中で生きてみてもいいのかもしれないと思いつつあった。自分の幸福を求める気持ちを、まだ捨てきれていなかった。
何度か諦めて旅立とうとしたものの、結局はその村にしばらく住み込むことになった。
癒しの力を封じ、ただの医者として生きる分には、ラフューは何の問題もなく村に馴染むことができた。少女のことを忘れないようにピアスを外すことはなかったが、その上でまた人間の中で生きる喜びを思い出すことができた。
村の誰もがラフューを住民として扱うようになった頃、再び村に行き倒れが流れ着いた。それが、ラウルだった。
長い人生のほとんどを人間の中、あるいは一人きりで過ごしてきたラフューにとって、同じ吸血鬼と過ごすのは初めてだった。寡黙なラウルとおしゃべりで人懐こいラフューは全く違うタイプだったが、不思議と仲良くなっていた。少なくとも、ラフューから見れば、だが。
だが、それは長く続かなかった。ある日ラウルは、突如住民を虐殺した。
その日、ラフューは薬を貰いに隣の村に行っていた。少女を二度殺したあの時と、どこか似た状況だった。
ラウルがラフューのいない隙を狙ったのかはわからない。のん気に鼻歌を歌い村に帰る途中でラフューは、あまりに濃い血の匂いを感じ取った。
慌てて飛んで帰ると、そこには惨劇しかなかった。気難しい隣人も、よくシチューを振舞ってくれる老婦人も、時折遊んでやった少年も、みんな死んでいた。
そこが昨日までいた村であることも、その惨劇の中心にいるのがラウルであることも、すぐには理解が追い付かなかった。錯乱状態に陥って、ラウルに掴みかかろうとした。
そこで、ラフューの意識は途切れた。
何をされたのかはわからない。ともかく、返り討ちに遭ったことだけが確かだった。目覚めた時には事件から数日が経っていた。ラウルはどこにもいなかった。自分をあえて殺さなかったのか、殺したと勘違いされたのかは定かではない。全身がずたずたにされたが特に右半身が酷く、腕が丸ごと吹き飛んでいた。
それと、右耳につけていたはずのピアスもどこかに行っていた。血の海をいくら探しても見つからなかった。右腕同様、完全に消し飛んでしまったのだろうか。
まともに動くことも叶わない状態の中、唯一動く頭を使ってラフューは考えていた。
なぜ、こんなことになったのか。
ラウルが何故あの凶行に至ったのかは知りようがない。でも、そもそもラウルがこの村に来なければこんなことにはならなかっただろう。
村人がラウルを受け入れ、警戒しなかったのは……その前に住み着いた吸血鬼がいたせいだ。
そして、私がラウルの危険性に気づけなかったせいなんだ。
そう、やっぱり、全部私のせいなんだ。なのに、私だけ生き残ってしまった。
二度の悲劇によりラフューの心は折れ、強い自責思考に苛まれるようになった。
体が癒えてくると、村人の墓を一つ一つ丁寧に作ってから村の跡地を去った。
強力な癒しの力をもってすれば右半身を完全に再生することもできたが、しなかった。この傷は、この喪失は、己への戒めとするべきだと思ったから。
痛々しい傷跡、失った右腕、満足に動かない右足。
そして、砕け散った心。
もう、ラフューには何も無かった。守りたいものは、自分が近づくことそのものが悲劇を産む。
からっぽの吸血鬼に残っていたのは、せめてラウルの真意を聞き、凶行を止めなければならないという使命感。もしくは、それに縋らなければすぐにでも自ら命を絶ちそうな自分を恐れたのかもしれない。
その使命のために、ラフューは旅に出た。
そして、「吸血鬼伝説の残る土地」「現在進行形で吸血鬼に脅かされている土地」を巡った。
そこに吸血鬼がいれば殺して衣装を奪い、伝説だけならその通りに変装する。そのようにして「その土地を脅かす吸血鬼」になりきり、村人を怯えさせる。
そうすると、彼らは吸血鬼を打倒するために聖銀の武器を持ち出す。それは時に剣であり、時に銃弾であった。その銀の武器をわざと喰らい、死んだフリをして夜闇に消えていく。そんなことを200年ほど繰り返した。
そうして銀の武器を大量に集めると、サラマンダーの高熱で鋳溶かして自分の体内に打ち込んだ。
そんなことをすれば当然ラフューの肉体も破壊されるが、癒しの血がすぐさま修復する。破壊、修復、破壊、修復。凄まじい苦痛を伴うそれは5年続いた。
最終的に全ての銀を体に収め、無理矢理自分の力たる血と結びつけることで制御することに成功。
それが銀色の血となり、腕の代わりとなった。
ラウルがラフュー同様銀を嫌う吸血鬼であるかどうかはわからない。しかし、この銀はただの銀ではない。
「我らを脅かす吸血鬼に死を」という願いによって作られた聖銀と、ラウルを止めると誓った自分の血。それが混ざり合うことで、ラウルの吸血鬼特性に関わらず致命打を与えられると考えたのだ。
とはいえ、この策はあまりに回りくどく、そして危険だった。撃ち込まれた銀の弾丸でラフュー自身が死んで終わる可能性もあった。
それでもそうしたのは、人間に嫌われ敵意を向けられることに慣れておきたかったから。どうしても人間が好きな自分の未練を切り捨てたかったから。
そして、実際にその地を脅かす吸血鬼を殺し続けることで戦闘訓練、人と直接関わらない人助け、ラウルの手がかり探しの全てを一挙に達成出来ると思ったからだ。
かくして銀色の腕を手に入れたラフューだったが、それからラウルを追う旅をするうちに異変に気づく。
元々、長く生きている都合忘れてしまうことも多い身ではあったが……なんだか、物忘れが激しい気がする。
はじめのうちは気のせいか、それとも老化かと思っていたが……ある時、気づいてしまった。
自分が二度殺してしまったあの少女の名前が、思い出せない。
絶対に忘れないようにしていたはずなのに。顔も、名前も、声も、全く記憶に無い。
不自然なくらいに思考にもやがかかる。
……そこで初めて気づいた。銀が自分の脳を侵したのだと。記憶能力に深刻なエラーが生じ、穴が空いたように特定の記憶がすっぽり抜け落ちるようになってしまったのだと。
罰だと思った。自分には、未練を抱えて生きることも許されない。
それでも、ラウルを止めるまでは死ねない。ラウルの起こした惨劇だけは、忘れてはいけない。
その日からラフューは日記を書き始めた。自分の覚えている限りの過去のことも書き込み、その日に起きたことを執拗なほど細かく記録した。
もう何も忘れないように。自分が何を忘れたのかわかるように。
年代すら明らかでない過去の回想から現在の1日1日に至るまで書き込まれた日記帳は、既に80冊を超えている。ものによっては歴史書としての価値すらあるかもしれない。
一箇所に留まらないラフューは、この本を置く場所を探していた。自分が場所を忘れづらく、万一忘れても誰かが管理していてくれるような。
……ちょうどその頃、吸血鬼のような異能者の国際組織ができたと噂で聞いた。それがUGNだった。
ラフューは設立して数年のUGNに密かに接触し、イリーガルとして活動する見返りに書庫の一部を貸してもらうことにした。
電子技術が発達してくると、過去の日記も全て電子サルベージして複数バックアップを取るようになった。
これによって原本をUGNに置いても旅の最中で読み返せるようになり、1日の大半の時間を日記を読んで過ごすこともあった。あまりに膨大な文章量だが、ラフューは1日で読み切れるらしい。
そして、5年前。ロスト・ワン事件に際し、UGNから要請を受けて出動。
事件現場で、ラフューは見覚えのある死体を発見する。死者に、ではない。殺され方に、見覚えがあったのだ。
それは300年前のあの日、ラウルの足元に転がっていた……確か、3軒隣の食器屋のロイドと同じ。
あの惨劇をまだ詳細に覚えられている自分に一瞬安堵し、それからすぐに理解する。
この事件には、ラウルが関わっている。
…………そう確信した直後、ラフューの前に彼は現れた。
事件後は今度こそラウルを止めるため港野支部に一時滞在することを決め、今に至る。
余談
ラフューの肉体は銀に侵され、ズタボロに傷ついている。300年経って右足が未だ治っていないのは、特に右半身に関して自然治癒能力全般があまり機能していないからだ。
ほとんどいつ死んでもおかしくない体を、ラウルへの執念だけで何とか動かしている状態といってもいい。
少なくともラフューには、ラウルを倒した後に生きる理由がひとつもない。ジャームになる前に自害しようかと思ってさえいる。
生きる理由、ロイスを作ることを恐れ、かつてのロイスを記憶障害で喪失したラフューは自分の未来を想像できない。
自分が死んで悲しむ人が、誰もいないといいな。そんなことを考えている。
もし、仮に。ラウルを倒した後になにか生きる理由を得て、それが自分が近づいても壊れないものだと信じることが出来たなら。もう一度、生きてみようと思えるのかもしれない。
その時はきっと、体内の銀をなんとか除去しようとするだろう。
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