「アンタ、こんなところで座り込んでどうしたんだい」

見知らぬ人に、声をかけられました。雨の降る夕方の、薄暗い路地だったと思います。

その人は黒い大きなバイクに跨って、ずぶ濡れの僕を見下ろしていました。

「何してんのかは知らないけど、そのままだと風邪を引いちまうよ」

彼女がパチンと指を鳴らすと、姿形もなかったヘルメットがそこにありました。それはまるで、魔法のように。

「乗りな。こんなところで、くたばりたくないならね」


暫くした後に知りました。彼女はモルフェウスという物質錬成に長けた能力者だったのだ、と。

そして、僕の中にもその素質があったのだ、と。


彼女は最後にこう言いました。

「もうここには戻らない。アンタはアンタにしかできないことをやってみな」

卑屈オブ卑屈な男の子。身体性も精神性も男であるが、自身が中性的だと捉えられる自覚はある。そのことについて本人に特段感情がない。
自分の実力について常に懐疑的な思考をしており、自分が関わったことで誰かを不幸にしたとかそういう思考はないが、実力や功績を褒められても素直に受け取れない。他人の言葉を素直に受け取ることが苦手。

自分は常に人並みかそれ以下であると思っていることから、度の過ぎた謙虚さが卑屈になっていることに気が付いていない。


一人称：僕　二人称：あなた/○○さん
趣味/特技：猫のお世話/刺繍
好きなもの：マスターのコーヒー、猫
苦手なもの：サバラン、お化け

世界的に有名な服飾ブランドのオーナーとデザイナーを両親に持つ。昔から服に興味はあったが、家を継ぐとかそういうつもりはまるでなく、むしろコツコツと学問に打ち込むことに憧れをもっていた。

義務教育の終了が見えてきた16歳の頃、継続教育カレッジに行かせたがる両親とシックスフォームへ進みたいミアとの間に溝ができ、最初で最後の我儘を通すために家を飛び出だした。

その後、行く当てもない少年を一人の気まぐれな旅人が拾いあげ、その口利きで現在に至る。大人の根回しにより、学校には今も通っている。

体内で生成した薬品を補助に、血液の遠隔操作を行う。【針も使わず】【縫い目も残さず】対象の体内から縫い合わせて崩壊させることに長けている。見た目として派手ではないことも、本人が能力を過小評価する理由の一端となっている。

本人の家柄と戦闘スタイルから。イリーガルのため、よく世話になるUGNの職員がつけてくれた。イメージコントロールができるようになれば、巨大な針で突き刺すような攻撃も可能ではないかと目されている。能力とはイメージ力の強さに依存するのだ。