容姿・経歴・その他メモ

「今日からこのクラスに転入することになりました、ニコラof能津です。よろしゅう✌」

能面と見紛うほど整った顔はどんなときも無表情を崩さないが、感情表現はそれなりに豊かな少女。
頭部に装着したヘッドフォンは本人曰く『一体化型』であり、つけたままでも周りの音を聞き取れる優れ物だそう。
授業態度はお世辞にも良いとは言えないが、成績はそれなりに良い。
片付けが苦手。

「UGNの方から来ました、申し開きがなければ直ちに戦闘行動に入ります」

幼少期にジャーム災害に巻き込まれ肉親を喪った挙げ句、連れ込まれた病院でレネゲイドウイルスを発症。
表向きには事故で亡くなったものとされ、UGNに保護されたのち施設で第二の人生を送ることになった。
体の大部分を欠損しながらも生き永らえた彼女はUGNによって精巧な人型の義体を充てがわれた。強い侵食力を持つ彼女のレネゲイドによって義体と一体化しており、生身の肉体と遜色のない偽装を可能にしている。当時の記憶は最早曖昧だが、こうした経緯によりUGNに強い恩義を感じており、強い帰属意識をもっている。
オーヴァードと人類の共存のため、UGNの掲げる理念に沿って機械的に任務をこなし、オーヴァードを含む人類の幸福はその延長線上に存在すると疑わない。
戦闘中などレネゲイドが励起し、オーヴァードとしての攻撃性を制御できなくなると彼女の本来の肉体、｜全身義体《オーバーボディ》の隙間から筋組織の触手の見え隠れする歪な｜生体部品《サイボーグもどき》としての本性が露わになる。
自分の正体がもはや人間とはかけ離れた存在である事には強いコンプレックスを感じている。極力感情を押し殺し細かな感情の機微を他人に悟らせないよう振る舞う一方で、しばしば自己をUGNの保有する一機の戦術兵器か備品と見做すほど人間としての自尊心に欠けている。
自分の体がどこまで機械で、どこまでレネゲイドなのか。人間としての自意識はいつまで保つのか、それとも既にそんなものは存在しないのか。
駆動音で休まらない心のざわめきを押し込めながら、｜人形《しょうじょ》は今日も人間のふりをして床に就くのだった。

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