優しい兄だった。
手を引かれ、後ろについて祭りを歩き、飴菓子をほおばり、笑い合う。

緑が生い茂る土手、空に咲く花に気を取られ、足を滑らせた。
冷たく、頭が揺れるような感覚の中で、しがみついた暖かさだけを鮮明に覚えている。

私を守ったその手は、まだ動かない。
私を守ったせいで、幾年も繋ぐことができていない。
一緒に食べたお菓子の味は、どんなだっただろう。

川に流される中、必死に助かりたいと願うと不思議な力に背を押され川辺に押し出された。
なぜ助かったのかはわからない。
以来、水が怖くなった。
それなのに、私は水とともにある。
これは私に与えられた罰なのだろう。

誰かのためになるのなら。
行き過ぎた自己犠牲を振りかざす少女は、
ただひたすらに歩みを進める。
贖い、許しを請うように。
いずれ到る結びを手繰り寄せるように。

1人称：わたし　他人称：あなた/～さん
句読点/三点リーダー多め
「誰かが困ってるなら、私はやるよ。」
「うん、だから…ごめんね？」
「私を赦してくれるのは、あなたじゃなかったみたい。」

属性もりもりの恰好は思春期の時に"普通"になろうとして
流行ってるものをいろいろ間違えながら取り込んだ結果、それが定着してしまった。

雨虎：雨降らし
虎が雨