本人について：

年齢にして6歳から8歳程度の幼児の体系をした自立型ヒューマノイドロボットです。
額に刻印されたバーコードとそれに関連する個体識別コードが特徴として挙げられ、その他にも演算処理や人体的構造において一般的なホモサピエンスに類する人類と同等の反応を示しました。
彼女をロボットとして分類するか検討中です　―筆記担当者

性格について：

彼女の性格は場合によって二分され、正確に言えば二重人格のような兆候を見せます。
サーバールームにて処理作業を行っている場合は冷淡で淡々と仕事を処理する機械的側面を見せ
未接続の場合でも冷淡ではありますが接続時ほど感情を抑制していないように思われます。
ただパラメーターを確認する限りでは彼女にこれと言って感情への抑制機構は備わっておらず、強いて言うなら一部の数値に明らかな補正が加わっている点でしょうか。
製造者によって付け加えられたものではなく、恐らくは本人の自己制御なのではないかと予測しています。

[Secuar-4-A:HighProtect Area]

記録１

「...行目以降の文章には正確性がありません、報告時は少なくとも状況の正確性を80%以上確保してください。」

...えっと、聞きたいのはそれだけですか？。はい、分かりました。でも恐らく、私の口から聞けることはあまり役には立ちませんよ。
というより、簡単な事なんですよ。結局...私たちがこうやってここで保守業務に当たる理由なんて一つしかないじゃないですか。
それ以外にやれることもなければ、それ以外で生きる理由もない。だから私はここで仕事をしているんですよ。
今更やめたって結局戻る場所もあるわけではないですし...考えてはないんですよ、少なくとも私は。
これで満足していただけましたか？...処理しなきゃいけないタスクがまだ129,660GB分あるんですよ。
あまり長話が...いえ、忘れてください。仕事に戻りますね。
あと煙草は出来ればここでは控えて貰えると、サーバーに煙が入るとフィルターが詰まるので。

「I.R.iS他各メインフレーム保守AIに通達、管理者休息時間のため保守業務の担当班はいくつかのデータ処理も並行して実行してください。」

結局のところ、この場所に閉じこもって色々と考えるようになってから改めて見方が変わったこともいくらかあった。
自分のこと以外でもそうだが、正直...自分を見返すなんて行為をまたやる事になるなんて思ってもみなかった。
何というか、自分は何も知らないんだと理解するようなものでとても頭を抱えているのが現実。
だからこの部屋に閉じこもってるってのも今の私にとっては事実なんだろうし、真面目に考えてないわけでもない。
ただ...怖いんだろう、鍵を開けるのが。
まぁ、それらを考えずずっと逃げ続けてきた自分の罪でもあるんだろうし、あまり深くは考えてはいない。
せめて言うなら...鍵穴から覗くぐらいはするべきだったかもとは思う。