容姿・経歴・その他メモ

あなたは、過去の記憶があいまいだ。
あなたはどうしてここにいるのか、どう生きてきたのか、よくわからない。しかしあなたは鴛海琴里であり、高校生であり、UGNの支部長だ。日々オーヴァードとしてジャームを狩り、日常を守って生きている。
ずっとこうだったと思うから、たぶんこれからもこうだと思う。
親戚の欧陽玲夢には疎まれているらしい。なんでだろう。聞いてみても分からない。
後輩の桜庭尚人からは以前の功績を讃えられた。だいじょうぶ、もっともっとがんばるよ。

人は運命を生きよ　人は卑しきを捨てよ　信じたものに納めよ　道を外れずに果てよ

私には使命がある。使命を果たせなければ、私には価値がない。だから今までと同じように鴛海琴里として、オーヴァードとして、支部長として、昨日と同じ今日を、今日と同じ明日を繰り返して存在していく。


◇◆◇◆◇

周囲の認識によってそこに「在る」、過去を持たないいきもの。
本人は自分が鴛海琴里であると思っているし、なるほど間違いではない筈だ。
観測が先か、存在が先か。彼女にとっては、観測が先にある。
いま彼女を彼女の形で保たせているのは、こうあれかしという請願によるものだ。一度定まったこの在り方が揺らぐことはそうそうなかろう。彼女はオーヴァードとして、UGNの支部長として、人類の盾となり日常の守り手としてその存在を更新し続ける。周囲がそうあるものと思っている限りは。
しかし、その周囲がもしひとたびそのつくられかたを知ってしまったら……

本質的にはソラリスの海と同様。欧陽玲夢の記憶していた鴛海琴里として現れ、桜庭尚人の望む通り勇敢な指揮者として戦線に立ち、UGNが要求する通り支部長の役目をこなしている。本家と異なるのは、彼女は複数人の目から見た鴛海琴里を過不足なく埋める存在であるということ。鴛海琴里を知る人が多くなればそれだけ彼女の存在は多様性を増し、多角的な面を持つようになっていく。幸いだったのは、鴛海琴里の両親が彼女に全体主義的な個より全を優先する考え方を植え付けていたことであろうか。現在はそれが人間社会を保ち、未来へ継ぐことへと向いている。
鏡のように深層心理で望まれたことを反映するが、本人にその意識はない。

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