銀髪のアホ毛付きツインテールに、紫と青のオッドアイを持つ女性。常に大きな武器ケースを背負っている。

　掴みどころのない性格。あまり表情筋は動かないが、口調や仕草による感情表現が豊か。冗談も言う。
　過去の自分の経験から、レネゲイド災害、特に"遺産"が絡むものの解決に執着を示す。

　立場としてはUGN中枢評議会に議席を持つ、所謂アクシズの一人であり、同時にテレーズ・ブルム直下のＵＧＮレネゲイド災害緊急対応班『マルコ』の隊長でもある。ただし、評議会には欠席し、テレーズに議決権を委譲していることがほとんど常である。
　『マルコ』の隊長としては、部隊指揮を副隊長であるアイシェ＝アルトゥウに任せ、脅威には自身のみで対処するといったことが多く、隊長の座にいる意味は、名誉であることと、部隊の権限の責任を負うこと以外ほとんどないと言っていい。

　代々、遺産"栄光と勝利の槍"を管理してきた、ギリシャのとある一家の下に生まれる。
　4歳ごろまで一家の元で育てられるが、その年の誕生日に、屋敷を所属不明のオーヴァード数人に襲撃される。目的はおそらく"栄光と勝利の槍"の奪取だったと推測されるが、詳細は不明。
　次々と殺されていく使用人や家族を前に、アリウスは"栄光と勝利の槍"と契約、オーヴァードとして覚醒する。
　しかし、4歳の少女に当然レネゲイドの力や、遺産の力を制御できるはずもなく、力は暴走。襲撃者を生き残った家族もろとも殺害した上、その後数日にわたり、屋敷の近隣に住む者や、そこに近づいた者を無差別に襲撃し、甚大な被害を齎すレネゲイド災害を引き起こした。
　最終的にUGNの介入によってレネゲイド災害は終結、渦中のアリウスは槍共々保護され、監視、研究対象とされる。
以降、アリウスはUGNによってチルドレンとして育てられる。

　アリウスが10歳の頃、アリウスを保護していたUGNギリシャ支部が謎の勢力に襲撃される。目的は6年前の事件と同様、"栄光と勝利の槍"、及び契約者となったアリウスの奪取であったと現在では考えられている。
　覚醒前後の記憶が朧気で、自分に何が起こったのかを知りたがった事をきっかけとして、UGNへの反感を日に日に募らせていたアリウスは、部屋の扉を破壊し現れた彼らに着いていってUGNからの脱走を試みた。しかし、そこに阻止に現れた、偶然その時ギリシャ支部を訪れていたUGNアールラボ研究員、姫宮由里香に説得され脱走を取りやめる。
　脱走を渋り始めたアリウスを、無理やり連れ去ろうとした彼らを姫宮が鎮圧したことも相まって、今でもアリウスにとって、彼女の存在は大きい。

　その後、アリウスは自身の身に起こった事を姫宮から教えられ、深いショックを受けながらも彼女からの応援もあって立ち直り、UGNチルドレン、ひいてはエージェントとして活動を始める。
　UGNギリシャ支部、及び本部では"栄光と勝利の槍"及びアリウスを危険すぎるとして封印、処理するという案もあったが、UGNに敵愾心を持たれることによるリスクを鑑み、却下された。そのままアリウスは戦果を積み上げていき、15歳のころにテレーズと接触、その戦果と戦力評価から『マルコ』へとギリシャ支部から引き抜かれる。
　その後、17歳になる頃には『マルコ』の隊長へと抜擢され、中央評議会の空席の一つをオーヴァードとしての実力のみを持ってして獲得し、現在に至る。

　ロンギヌスの槍のオリジナルそのものとの風説もあるが、詳細は判明していない出自不明の槍。
　正確には、槍の形態をとっている、現在でいうEXレネゲイドに似た"何か"。現在確認されている、ゼノス等が運用しているEXレネゲイドとも組成が異なる、"遺産"に分類される物品の一つ。
　15年前の事件の折に屋敷からサルベージされた記録によると、1世紀の帝政ローマ初期に皇帝によって宝物庫に収蔵された記録を初めとして以降、権力者の手を渡り歩き、帝政ローマの隆盛を支えたとされるが、3世紀初頭にアリウスという人物の手に渡ったとするのを最後に記録は散逸。その後はそれと思しき槍の記録が時代と場所を問わず散見され、この一家の所蔵するものは、15世紀の東ローマ帝国崩壊時に宝物庫に所蔵されていたものを、当時の皇帝が持ち出して逃げのび、今に至るまで保管しているものとされている。
　また、伝承記録として、契約者は常に勝利することを追求させられると伝えられている。しかし、確かに通常の槍や、現代の最先端レネゲイド技術で鍛造した武装としての槍をはるかに凌駕する軽さ、強靭さ、鋭さを誇る他、使用者のレネゲイドウィルスを活性化させていることが確認されているが、それ以上の武具としての特徴は見受けられない。